鈴木議員暴行事件は、領土問題での政府との違いを証明もの=松本善明衆院議員が追及
日本共産党の松本善明議員は22日の衆院外務委員会で、鈴木宗男衆院議員が「北方四島」ビザなし交流の際、外務省職員に暴行を加えた事件について、事件の経緯からも、「鈴木議員の立場が(『北方四島』を日本の領土と主張する)政府の立場と違うことが証明されている」と指摘しました。
同事件は、1996年、鈴木議員が顧問を務める訪問団が国後(くなしり)島を訪問した際に起こったもの。訪問記念として植樹が企画されましたが、ロシア側が苗木の検疫証明書の提出を要求。外務省職員が同省と連絡を取り、証明書の提出は同島に対するロシアの管轄権を認めることになるとして提出を拒否、苗木を持ちかえりました。このてん末に腹を立てた鈴木議員が、同職員に暴行を加え、全治1週間のけがを負わせました。
松本氏が「これは単なる暴行事件ではない」と指摘したのに対し、川口順子外相は「鈴木議員がどういう立場で殴ったのか分からない」「当該職員は、ロシア側の『北方領土』における管轄権を前提とした行動は認めるわけにはいかないという立場にあった」と答弁しました。
松本氏は、外務省職員の判断は正しいものだったと指摘。加害者が謝罪も反省もせず、事件から6年が過ぎても事実無根と言い張っている場合、一般人なら逮捕・起訴されていると述べ、「国会議員だからと特別扱いするべきでない」と主張しました。
法務省の古田佑紀刑事局長は、暴行事件の公訴時効(7年)は成立していないことを認め、「刑事事件として取り上げるべきであれば、捜査当局として適切に対処する」と答弁しました。
(「しんぶん赤旗」3月23日付より)