鈴木議員とロシアの秘密会談・政府は真相を明らかにせよ=札幌で志位委員長
日本共産党の志位和夫委員長は21日、札幌市内で記者会見し、2001年3月5日の自民党・鈴木宗男衆院議員とロシュコフ・ロシア外務次官との秘密会談が明るみにでたことに対する政府・外務省の対応を批判、「小泉首相が責任をもって調査し、国民の前に真相を明らかにすることを求めたい」とのべ、鈴木氏の再喚問と東郷和彦氏(当時、外務省欧州局長)の証人喚問を求めました。
志位氏は、川口順子外相が、秘密会談がおこなわれた事実を認めたこと、とくにそこに東郷欧州局長が出席したことを認めたことは重大な意味をもつと指摘。その一方で、それが「公的立場のものと承知しない」などとして、「調査はしない」とのべていることをきびしく批判しました。
志位氏は、「欧州局長は外務省中枢の幹部であり、会談に出席すれば、それは日ロの政府間交渉となる。『公的な立場での出席でない』とか『鈴木氏の個人の資格による会談だ』というのは通る説明ではない」とのべました。
「外相は『日本政府は二島先行返還を言ったことはない』と言うが、東郷氏は鈴木氏の発言になんら異論をはさんでもおらず、これでは『二島先行返還を言っていない』とは主張できなくなることにもなる」と強調。鈴木氏の「二島論」は、事実上、領土問題を二島返還でおしまいにするものであり、「この問題は日本の主権を損なうものであるにもかかわらず、政府はことの重大さを理解していない」と批判しました。
そして、鈴木氏が「二島先行返還」論を主張することについては、「ロシア側の歓心をかって、利権をむさぼるところに動機があると考えざるをえない」とのべ、「鈴木氏は国民の税金だけでなく、日本の主権も食い物にしていた」とのべました。
さらに、こうした根源には「歴代の自民党政府が領土問題で国際的に通用する根拠をもって交渉してこなかったことがある」と指摘。90年代に領土交渉では一方的な譲歩と後退を繰り返し、道理がないから、無原則的な「経済支援」でことを動かそうという動きが強まったことをあげ、「その弱点を利用し、いっそうひどくしたのが鈴木氏だった」として、「国際的に通用する道理をもった領土交渉への転換が必要だ」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」3月22日付より)