はしけ入札資格ねじ曲げ=地元企業念頭の「文書存在」と外務省・小池晃参院議員に
日本共産党の小池晃議員は3月12日の参院予算委員会で、「北方四島」支援事業の自航式はしけ発注に関し、自民党の鈴木宗男衆院議員が自分の後援会幹部の業者に受注させるよう入札参加資格をねじ曲げていたのではないかと追及しました。
このはしけについて外務省の調査結果では「鈴木議員の関与は確認されなかった」と結論づけていたものです。北海道開発局(当時)の入札参加資格によると、船舶製造の基準でAランクの業者が受注できる価格は1500万円以上、Bランクは300万円以上1500万円未満となっています(下表)。
ランク | 予定価格 | 北海道内の企業 |
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A |
1500万円以上
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33社
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B |
300万円以上1500万円未満
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根室造船ほか
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予定価格は「希望丸」が1億395万円、「友好丸」が1億8900万円
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国後(くなしり)島の自航式はしけ「希望丸」(1998年供与)は1億395万円、色丹(しこたん)島の「友好丸」(2001年供与)は1億8900万円で、どちらもAランクの業者しか受注できない価格です。
ところが、両方とも落札したのはBランクの「根室造船」。同社社長は鈴木氏の後援会幹部で、1996年から1999年までに240万円を献金しています。小池氏は「なぜ本来資格のないBランクの業者が受注できたのか」と質問。外務省の斎藤泰雄欧州局長は「希望丸」の入札参加資格について「AまたはBに格付けされたもの」と答弁しました。
そのいきさつについて斎藤局長は、支援委員会の「競争参加資格結果報告書」に、「地元企業も競争に参加させるべきとの政策判断にもとづき、当初の審査基準を緩和した経緯があります」という記述があること、審査基準を一部緩和した際「根室造船が念頭にあったことをうかがわせる手書きの書き込みのある文書が存在している」ことを明らかにしました。小池議員は「はしけだって真っ黒だ」と追及。再調査を求めました。