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鈴木議員証人喚問=「記憶ない」連発、疑惑さらに

2002年3月12日・「しんぶん赤旗」報道

 「北方四島」支援事業、コンゴ駐日大使人事、ケニア水力発電所、タンザニアの中学校……。11日に衆院予算委員会で行われた証人喚問で自民党の鈴木宗男衆院議員は、問題の核心に迫られると「記憶がない」を連発し、疑惑はいっそう深まりました。

<ムネオハウス 「根室へ」要請認める>

 「ムネオハウス」と呼ばれる国後(くなしり)島の「友好の家」をめぐって、入札参加資格を地元の根室管内にするよう圧力をかけるなど、外務省の調査報告(4日)でも「決定過程にまで深く関与していた」とされた鈴木氏。これについてただされると、「(北方領土)返還運動の原点の地である根室を重視、根室市長など地元の要望が再三あり、その点についてはお願いし、要請してきたことも事実だ」と開き直りました。

 また、入札参加資格をめぐり、外務省のロシア支援室長と内閣官房副長官室で「何回かの接触、相談はあった」ことを明らかにしました。

 入札公告前の1999年6月3日に、予定価格を知り得る立場にあったコンサルタント会社「日本工営」担当者らと、のちに工事を受注する渡辺建設工業、犬飼工務店の社長が鈴木事務所で会合したことについては、「宮野明秘書が引き合わせた」と秘書の関与を認めました。

 しかし特定の受注業者選定へのかかわりでは「思い当たる節はございません」「特定の業者が念頭にあったことはまったくない」と繰り返しました。

<国後島の桟橋改修 秘書給与を肩代わり>

 「ムネオハウス」と同じく、外務省の調査報告で入札参加資格決定への介入が明らかにされた国後島の桟橋改修工事。「地元企業に引き受けさせるよう声を荒らげ、強く要望したか」とただされ、鈴木氏は「地元に関する配慮があっていいのではないかという話は一貫して、している」とのべました。

 「(同工事を受注した)島田建設から、元秘書の給与の肩代わりを受けていたのは事実か」との追及には、鈴木氏は「きょうの新聞で初めて知った。事実関係は承知していない」とのべました。

<コンゴ駐日大使人事 秘書の圧力「おわび」>

 鈴木氏のコンゴ人私設秘書・ムルアカ氏が、駐日コンゴ民主共和国臨時代理大使への外交官身分証明票発行をめぐり、外務省に圧力をかけた疑惑では、「監督不行き届きの点をおわびしなければならない」とのべました。

 鈴木氏自身の関与については、「政治家として、相手国が決める話に口を挟むことがあってはならない」としながら、「さまざまな意見交換の中で、そのときどきの情報や、知識を話したことはあろうかと思う」と認めました。

<ムルアカ秘書問題 「民間人と認識」弁解>

 ムルアカ氏が、公用旅券を使用していた問題では、「民間人という認識だった」「本当に彼が公務員であったならば、私設秘書といえども使うことはない」と証言。ムルアカ氏が「コンゴ大使館通商代表機関代表」の肩書を使用していたことについても、「そういう名刺を本人が使っていることは知らなかった」とのべました。

 しかし、ムルアカ氏は、1999年に在留資格について外務省中東アフリカ局に相談していたことが判明しています。当時のいきさつについて鈴木氏は、「どんなやりとりがあったか記憶にない」と明確にしませんでした。

<タンザニア送金代行 外務省職員手渡し認める>

 タンザニアの中学校に対する巨額送金を外務省職員に代行させた問題では、自民党総務局長室で現金800万円を外務省職員に手渡したことを明らかにし、「外務省職員にお願いしたのは軽率だった」と陳謝しました。

 その上で、資金は同氏の資金管理団体から支出したと従来の説明を繰り返し、「国のカネを使うとか、プール金を使うということはない」とのべました。

<ケニアの水力発電事業 1999年8月「初めて知った」>

 ケニアの円借款によるソンドゥ・ミリウ水力発電計画をめぐる関与、受注企業からの献金疑惑では、1999年8月に内閣官房副長官としてケニアを訪問した際に初めて事業を知ったと、これまでと同じ説明を繰り返しました。

 しかし、同水力発電計画は、85年に始まり、1989年に日本・ケニア間の最優先事項として借款契約が調印されています。鈴木氏の1991年、1992年のケニア訪問で、モイ大統領と会談した際、同事業のことが話題になったのではないかとの追及に対して、「残念ながら覚えていない」と答えました。

 1992年のケニア訪問では、「要人とは会談していない」とのべましたが、大統領と会談していることを指摘されると、「10年前の話ではっきりしない。大統領と会談したかどうか私は覚えていない」と答えました。

(3月12日付「しんぶん赤旗」より)

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