不要の軽油税を上乗せし鈴木議員の献金企業に払う=「北方支援」ディーゼル燃料契約金2倍
「北方四島」支援事業にふくまれるディーゼル燃料の契約で、発注元の支援委員会が6社中2社にたいし、輸出の場合に免除される軽油引取税(軽油税)を支払い、契約金額を二倍に膨らませていたことが、7日までの本紙調べでわかりました。この支払いを受けていたうちの1社は鈴木宗男自民党衆院議員への献金企業。これまでに明らかになった消費税だけでなく軽油税も支払っていたことで、支援委員会・外務省の疑惑がいっそう深まりました。
今回判明したのは、98年以降に8件(6社)あった燃料契約のうち、「ヒシサン」「根室石油」(いずれも根室市)2社との契約。ともに鈴木議員の地元の業者で、ヒシサンは鈴木氏に1996年から1999年までに42万円を献金しています。軽油税は、輸出する場合は課税が免除され、「北方四島」は輸出として扱われます。
ヒシサンとの契約は、1999年8月の色丹島向けのディーゼル燃料(軽油)250トン。ヒシサンが支援委員会事務局に出した請求書によると、軽油に諸経費、通関手数料をあわせた金額は約953万円。これに約963万円の軽油税が支払われ、契約金額は結局約1964万円までふくらみました。
ヒシサンによると、ファクスで見積もりを支援委員会に送り、事前に何回も同委事務局に課税なのか免税なのかを問い合わせ、「軽油税がかかります」といわれたために軽油税を含めた金額で請求したといいます。2001年1月の色丹、国後両島向け100トンを約1338万円で契約した根室石油も、軽油税分を受け取ったと本紙に話しています。
他方、ヒシサン、根室石油以外の4社は、いずれも契約に軽油税はふくまれていないとしており、2社の特別扱いが際立っています。
2社とも軽油税も消費税も納税したとしていますが、実際に納めたかどうかについて、納税先となる北海道庁税務課は、個別事案には答えられない、としています。
外務省ロシア支援室は「事実関係を調べて不当だと判断すれば、返還を求めることも含めて適切に対応する。当時の経緯はいま調べている」と話しています。