自民候補落選の報復に農地整備事業を凍結=鈴木議員が圧力・児玉健次議員が内部文書示し追及
自民党の鈴木宗男衆院議員が北海道の農地整備事業をめぐり、当時の北海道開発局(現国土交通省北海道局)の担当者に圧力をかけ、同事業が凍結されたことを裏付ける内部文書が存在していることが、5日の衆院予算委員会で明らかになりました。日本共産党の児玉健次議員が独自に入手し、提示したものです。
同文書は、開発局の担当者が農水省構造改善局事業計画課の担当者あてに「FAX連絡文」として、1998年8月13日付で送信した記録文書です。
開発庁と農水省が、1997年度予算から初めて調査費を計上した北海道江別市、栗沢町、南幌町の「野幌東地区農用地総合整備事業」(総事業費110億円)をめぐる1996年から1998年までの「陳情経過」が書かれています。
児玉氏は、同文書で野幌東地区の事業に関する「予算執行をS先生(鈴木議員)からの凍結解除が出されるまで見合わせる」などの経過が記述されていることを指摘しました。
鈴木議員による予算“凍結”は、直前の96年10月の総選挙で地元選挙区の自民党候補が落選したことへの報復、みせしめとして行われたものであり、当時自民党副幹事長だった鈴木氏が南幌町の竹内正一前町長に「自民党候補を落としたのだから、新規事業はだめだ」と言い渡した事実を児玉氏は明らかにしました。
児玉氏は、国土交通省にたいし、鈴木氏の圧力がなぜまかり通ったのか、徹底的に調査し、すみやかに予算委員会に結果を報告するよう要求。扇千景国土交通相は「本日の委員会が終わり次第、監査をやり、来週の火曜日(12日)までに結果を報告したい」と答え、小泉純一郎首相も調査を約束しました。
(「しんぶん赤旗」3月6日付)