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鈴木議員・外務省の疑惑次々=衆院予算委で明らかに

2002年3月5日・衆院予算委員会

 外務省の調査報告書が発表(4日)されましたが、翌5日の衆院予算委員会の審議では、新たな鈴木・外務省疑惑が次々と明らかになりました。

<事業発注元の「支援委」=日本側だけで運営>

 外務省の斎藤泰雄欧州局長は衆院予算委員会で、自民党の鈴木宗男衆院議員による入札介入疑惑が持たれている事業の発注元である「支援委員会」の構成メンバーについて、1997年7月以降ロシアとベラルーシの代表が不在で日本側だけで運営していることを明らかにしました。民主党の上田清司議員への答弁。

 同委員会は、旧ソ連諸国12カ国への人道・技術支援を行うために設置された“国際機関”です。「設置協定」では、日本政府と援助を受ける各国から選定された政府代表などで構成されることが定められています。ロシアとベラルーシ以外の10カ国は現在、日本政府の政府開発援助(ODA)対象国となっており、支援委による援助の対象国はロシアとベラルーシの2カ国となっています。

 斎藤局長は、1997年9月に行われたロシアの省庁再編の結果、ロシア側政府代表が空白となり、それ以降、ロシア、ベラルーシ両国から代表任命の通報がないと述べました。被援助国のメンバーが不在であったことは、支援委が実質的には機能しておらず、支援の決定過程すべてを外務省が単独で握っていたことを示しています。

<タンザニアへの寄付送金=外務省職員が代行>

 川口順子外相は衆院予算委員会で、2000年にタンザニアの中学校建設のため自民党の鈴木宗男衆院議員が行った寄付の送金を、外務省職員が代行した事実を認め、「一国会議員の要請に基づき、外務省の職員が多額な個人的送金の手続きにたずさわったのは、不適切な判断だった」とのべました。原口一博氏(民主)への答弁。

 原口氏は、送金を代行した職員が同省の内部調査に対し、「送金は(鈴木氏側から)渡された現金を窓口に持ち込んで行った」と話したとして、「マネーロンダリング(資金洗浄)に使われる方法で、外為法違反の疑いもある」と主張。川口外相は、海外送金支払い報告書の控えが外務省内に存在するとして、予算委に提出するかどうか財務省と検討する考えを示しました。

<色丹島診療所の建設問題=質問翌日、外相に念押し>

 外務省の斎藤泰雄欧州局長は衆院予算委員会で、自民党の鈴木宗男議員が色丹島のプレハブ仮設診療所の建設を強く求める国会質問を行った翌日、建設に慎重な姿勢を示していた河野洋平外相(当時)と会合し、その席でも建設を強く求めていたことを明らかにしました。上田清司議員(民主)への答弁。

 鈴木氏は、1995年5月31日、当時委員長を務めていた衆院沖縄北方特別委員会で自ら質問に立ち、仮設診療所の建設を強く要求。しかし、河野外相は慎重姿勢を示しました。

 ところが、斎藤局長は、質問翌日の同年6月1日に鈴木氏が河野外相と朝食会をもったと言明。「鈴木氏から『昨日の委員会でも質問したが、仮設診療所は、ぜひ早期に建設してもらいたい』とのべたのに対し、河野外相から、『速やかに着手する考えである』と発言した記録がある」とのべました。また、「この発言をうけ、(95年)6月28日に診療所の建設を決定した」と、建設決定にいたる経緯を説明しました。

小泉純一郎首相は、診療所建設をめぐる経緯について、「よく調査する必要がある」とのべました。

(「しんぶん赤旗」3月6日付)

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