支援委員会への政府拠出金=鈴木官房副長官時代に激増
「北方四島」や対ロシア支援事業をおこなう「支援委員会」への日本政府の拠出金が、鈴木宗男衆院議員が小渕内閣の官房副長官に就任(1998年7月)した直後に編成した補正予算で、前年の15倍にも膨れ上がっていたことが明らかになりました。
「支援委員会」は、日本と旧ソ連諸国12カ国の協定で設立された“国際機関”ですが、運営資金は日本政府が丸抱え。発足時に125億円を拠出したほか、毎年、外務省予算のうち「国際機関等拠出金」から資金を出し、来年度も10億5241万円が計上されています。
資金の配分や支援の実施方法の決定も日本政府がおこないます。
拠出金の推移をみると、発足時と翌年の約222億円など立ち上げ時をのぞけば、6億円から8億円台で推移し、九八年度も当初予算は約7億円でした。
ところが、鈴木議員が官房副長官に就いた直後の98年度第三次補正予算(同年12月成立)では、120億7802万円を計上。99年10月に鈴木議員が官房副長官を降りた直後に編成された九九年度第二次補正予算(同年12月成立)でも、約55億5000万円と突出が続きました。
拠出金の使途の内訳は、「北方四島」支援のほか、人道支援、技術支援、運営費。拠出しても使い切らずに翌年に回したり、ため込むことも可能です。支援実績額は翌年に反映することが多く、「北方四島」支援の実績額では99年と2000年が突出しています。
鈴木議員が官房副長官時代の九九年には、「ムネオ・ハウス」(国後島の緊急避難所兼宿泊所)の入札に介入したことが明らかになっています。
この補正予算での突出について、予算書では「支援委員会が今後集中的・効率的に支援を実施していくために必要な経費」と記述。外務省ロシア支援室は、「(国後島の)桟橋改修工事や(色丹島、択捉島の)ディーゼル発電施設など大型案件が続き、例年の拠出金では間に合わなくなったため」と説明しています。
これらの「大型案件」では、受注企業から鈴木議員や自民党への献金が発覚しています。