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特定議員の介入許す「支援委員会」とは?

2002年3月1日・「しんぶん赤旗」報道

 鈴木宗男衆院議員の入札介入疑惑で注目を浴びている「北方四島」住民支援事業の発注元・「支援委員会」。ニュースなどで名前はよくとりあげられるのですが、実態はあまり知られていません。一体どんな組織なのでしょうか。

<設立の目的、経過は?>

 国会議事堂の近く、東京・霞が関の新霞が関ビルに支援委員会の事務局があります。現在、扉にはかぎがかけられ、来訪者は事前にアポイントメント(約束)を取るようにとの張り紙があります。事務局に電話をかけると、「担当のスズキは忙しくてアポはとれない、電話にも出られない」との返事。インターネットのホームページもいまは閉鎖されています。

 「ムネオハウス」など、「北方四島」支援疑惑と結び付けてとりあげられることの多いこの組織。「支援委員会」が正式名称です。どこをどのように支援しているのか、名前からうかがい知ることはできません。「北方四島」支援を専門的に行っている組織かと思いきや、そうではありません。

 実は、旧ソ連が崩壊した後、旧ソ連諸国12カ国政府と日本政府が締結した「支援委員会の設置に関する協定」(1993年1月)に基づいて設立された国際機関です。構成メンバーは、日本から外相が選定した外務省職員一人と駐ロシア大使、援助を受ける各国から選定された政府代表一人ずつ。事務局は援助する側である日本に置かれ、委員会に雇用された職員が働いています。

 設立の主目的は、旧ソ連諸国が「市場経済への移行を目指す改革」を進めることを「支援するための活動を行う」(「設置協定」)こと。そのために人道支援や技術支援を行っており、「北方四島」支援はその一部です。

 政府の途上国への開発援助(ODA)とは別枠です。九七年度までにロシア、ベラルーシ以外の十カ国が日本のODA(政府開発援助)対象国となったため、現在は支援の大部分をロシア支援と「北方四島」支援が占めています。

 運営資金は日本政府が丸抱え。最初に拠出した125億円のほか、毎年外務省予算のうち、「国際機関等拠出金」から拠出されています。

<支援の内容どう決める?>

 これらの支援内容や事業を行う業者はどのようにして決めるのでしょうか。

 支援委員会は資金をどのように運用するか決定する権限を持っていません。

 「設置協定」によると、支援委員会は、各国からの要請が目的にかなったものであるか「検討」しますが、支援内容の決定権を握っているのは日本政府です。

 支援委員会は、日本政府から決定を通報されて、事業を実施に移すことができるという仕組みになっています。つまり、外務省が下した決定に従って支援を実施する「窓口」機関のようなものです。

 「設置協定」は援助内容についての調査・検討方法などにも言及していません。ODAのような事前調査や政府間の交換公文のやりとりもなく、支援の決定はヤミに包まれています。

 なかでも、「北方四島」支援は「北方四島」住民が直接、外務省のロシア支援室に対して支援要請をし、それにもとづいてロシア支援室が支援内容を決定して、支援委員会事務局に実施を指示することになっています(斎藤泰雄外務省欧州局長の答弁、13日の衆院予算委)。事務局は指示を受け、コンサルタントや業者の選定などを行います。

 事業内容の決定に際して、専門家や外部の組織がかかわった調査や審査もなく、外務省の一部局であるロシア支援室に委ねられている――ここに、鈴木氏のような「特定の議員」がつけ込むスキが生まれるのです。

<支援額の急増なぜ?>

 日本政府が2000年9月までに支援委員会を通じて「地方四島」への人道支援にあてた実績額は、約87億8000万円です(川口順子外相、13日衆院予算委)。

 「北方四島」支援が始まったのはソ連が崩壊した直後の1992年から。翌93年には支援委員会が発足、「北方四島」支援事業を引き継ぎます。その当時の支援額は、四億円程度。内容も食料品や医薬品などの援助が中心でした。

 ところが、1997年に橋本龍太郎首相とエリツィン・ロシア大統領(いずれも当時)が会談し「2000年までに平和条約を締結するよう全力を尽くす」ことで合意。しかし、日本側は歴史的、法的事実に立脚し、道理ある交渉を行うのではなく、「経済支援」「経済協力」などでロシア側の歓心を買うといった卑屈で異常な態度をとりました。その結果、「北方四島」支援額は急上昇。支援額は99年に30億8000万円にまで膨れ上がりました。

 鈴木議員は95年に衆院沖縄・北方問題特別委員長、97年に北海道開発庁長官、さらに98年7月に官房副長官に就任。こうした対ロシア外交に深くかかわり、一方で国後島での「友好の家」(「ムネオハウス」)や色丹島・択捉島への支援事業を食い物にしていきました。ムネオ疑惑は、日本の対ロ外交との関係でも、徹底究明が必要です。

「北方四島に対する人道援助」グラフ

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