異常入札は「ムネオ・ハウス」だけじゃない=松本善明議員が追及
鈴木宗男自民党議員の介入で入札条件が変わった「ムネオ・ハウス」(国後島)だけでなく、その他のおもな「北方四島」支援事業でも、入札参加の地域限定など、異常な条件がつけられていた――。27日の衆院外務委員会で、日本共産党の松本善明議員は、支援事業十二件を調査した結果をもとに、支援事業全体にかかわる入札疑惑を追及しました。
松本議員の調べによると、別表の12の支援事業の入札について、「北海道」という大枠以外の「地域限定」がついているのが六件もありました。さらに、95年の「色丹プレハブ診療所」などでは「札幌、根室、釧路」なのに、98年の「国後桟橋改修」では「北海道東部周辺で十分な施工実績を有するもの」とされるなど、年度をおって地域が狭められています。
また、国土交通省の入札基準では「入札説明会」への参加が入札条件とされていませんが、支援事業の入札公告では色丹ディーゼル発電施設など4件が説明会参加を入札参加資格としていました。
入札書類の提出期限にもきびしい制限があり、プレハブ施設関係では、入札公告日から、わずか2〜4日後に提出しなければならない――とされています。
松本議員はこうした事実をあげて、「12件の事業で制限があるものがとくに多い」とし、その結果、入札参加業者が1社だけというのが2件もある異常な入札となり、特定業者に発注させる仕組みが作られていると追及。これに鈴木議員が関与していることは十分考えられるとして、徹底した調査を求めました。
川口順子外相は「どこまで調査するか、園部さん(監察査察担当参与)に考えてもらう」と答える一方、「透明性あるしくみを構築する改革の一環として調査をすすめたい」とのべました。
(「しんぶん赤旗」2002年2月28日付より)