「ムネオ・ハウス」入札・不調なのにやり直さず=木島日出夫議員が追及
国後島の「ムネオ・ハウス」建設工事で、外務省の関連団体「支援委員会」が、1回目の入札が不調に終わったにもかかわらずやり直さず、随意契約に切り替えて、鈴木宗男・自民党議員の後援会幹部が社長を務める共同企業体(JV)に発注したことが25日の衆院予算委員会で明らかになりました。日本共産党の木島日出夫議員が追及したもので、外務省もこの事実を認めました。
“工事は丸投げ国費食い物”
受注したJVは、渡辺建設工業(北海道根室市)と犬飼工務店(同中標津町)の2社。入札(1999年7月7日)には両社JVのみが参加し、(1)4億3000万円 (2)4億2300万円 (3)4億2000万円で3度入札しましたが、いずれも予定価格(3億9700万円)を上回ったため、「支援委員会」は両社JVと随意契約交渉に入りました。
交渉でも両社JVは数度予定価格を超える価格を提示。「最終的には7月14日、予定価格に消費税を加えた4億1685万円で契約」(斉藤泰雄外務省欧州局長)しました。
木島氏は、入札が不調に終わったとき、他の官庁で通常行われる再入札のための再公告をしたのかと質問。斉藤局長は、再公告していない事実を認めました。木島氏は、一連の流れは「支援委員会」が鈴木議員の意向を受け、同氏の選挙区のJVしか入札資格がないように枠組みをつくり、随意契約したものだと批判しました。
また木島氏が、両社JVが大手エンジニアリング会社「日揮」(本社・横浜市)と3億5000万円で下請け契約を結び、「丸投げ」した問題を追及。実際に工事をした日揮の請負額と両社JVの落札額の差額が、実際には工事をしていない両社JVに入る仕組みになっており、「国費を食い物にしている」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2002年2月26日付より)