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雇用・労働, その他 (規制緩和, 非正規雇用, 国家戦略特区)

2014年11月13日 第187回 臨時国会 地方創生特別委員会 【809】 - 質問

特区案に大手経営者の意向、一部企業奉仕を告発

 2014年11月13日、佐々木憲昭議員は地方創生に関する特別委員会で、国家戦略特区改定案について質問しました。地域を限って規制緩和を進める特区内で、民間企業に転職した公務員の復職を可能にする同改定案について、一部の企業の利益に奉仕する仕組みづくりだと批判しました。

 13項目の規制緩和が追加された同改定案。佐々木議員は、目玉の「官民の垣根を越えた人材移動の柔軟化」の問題点をただしました。10月の諮問会議で委員の竹中平蔵氏が、公務員の民間企業就職のために「西村康稔内閣府副大臣に調整」を依頼して「法的措置」にこぎつけたと、議事録で述べていた点を追及。西村副大臣は、竹中氏の依頼を受けて動いたことを認めました。

 佐々木議員はさらに、竹中氏が大手派遣会社パソナの会長でもあり、「自分の会社がもうかるように働きかけることも可能だ」と指摘。パソナが子会社などを設立して特区に進出できるものであり、「驚くべき利益誘導政策だ」と批判しました。

 その上で「特区とは一部の企業の利益のためのトップダウンの体制づくりだ」と述べ、諮問会議に労働者や消費者、地域住民の意見を反映させる仕組みがないと指摘しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 質疑の順序を入れかえまして、野党の中で私が先にやらせていただきます。ほかの野党議員の質問につきましては、その権利を保障し、別途、条件が整ったときにやっていただく、与党側からもそういう約束を得られましたので、それを前提に質問をさせていただきたいと思います。
 今回提案されている法案は、戦略特区等で実施する合計13項目の規制緩和項目を新たに盛り込んだものであります。
 配付した資料は、追加の規制改革事項の提案元、右側にありますけれども、これについて記載をした資料であります。これは内閣府から提出されたものです。
 この法案の目玉の一つであります、官民の垣根を越えた人材移動の柔軟化というのがありますけれども、この提案元を見ていただきますと、右下ですけれども、米印で、非公開、こうなっているわけですね。これは非公開となぜしなければならなかったのか、その理由を石破大臣にお聞きしたいと思います。
○石破国家戦略特別区域担当大臣 委員御指摘の事項は、この夏に追加の規制改革事項を募集した際に提案をされたものでございますが、提案を募集するに当たりましては、営業上の秘密などを理由に提案内容について非公表を希望する方は申し出ることができる旨定めているものでございます。
 そういうことで、これを前提として当該提案者というものはこれを申し出られたわけでありまして、当該提案者につきましては、非公表の御希望があったということで、公表いたしておりません。
○佐々木(憲)委員 営業上の秘密にかかわるというんですけれども、何が営業上の秘密にかかわるんでしょうかね。官民の垣根を越えた人材移動の問題というのがどうして営業上の秘密にかかわるのか、全く私は納得できないんです。
 これは直ちに公開すべきだと思いますけれども、いかがですか。
○内田政府参考人(内閣府地域活性化推進室室長) お答え申し上げます。
 御指摘のように、これは雇用の流動化に関するものでございます。提案者でございますが、その提案内容が実現された場合にはでございますが、今後その提案者の事業の中心に据えようというように考えているようなこともあるかと思います。それが、提案、事業前に判明いたしますと、当該提案者の競争上の地位、そういうものを、あるいはアイデア、事業計画というものを害するようなことも想定されることでございますから、提案者の意向に沿った取り扱いをさせていただいたところでございます。
 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 今聞いていると、大変、裏が見えてきたというか、雇用の流動化にかかわる提案をしたわけで、その流動化をきっかけとして事業で一もうけしたい、こういう方が提案をした、こんなことがだんだん明らかになってきたわけです。
 具体的にお聞きしましょう。
 ことし10月10日に開催された第九回国家戦略特区諮問会議の議事要旨、これを見ますと、このように書いてあるわけです。
 八田達夫氏の発言として、「現在では、官庁に勤めていらっしゃる方が民間のスタートアップ企業に転職する際に、一度やめたらもう二度と官庁には戻れません。このため、リスクがかなり大きいので躊躇するという問題があります。今回、何カ月か民間のスタートアップ企業で働いてみて、だめな企業だということがわかれば、元の官庁に復職でき、その際、退職金について後できちんと通算の措置をとる制度ができることになりました。これは、画期的な流動化の促進策です。」こういうことを言っておるわけですね。
 この提案者の一人は、国家戦略特区ワーキンググループの八田達夫座長ではないんでしょうか。
○内田政府参考人 お答え申し上げます。
 八田座長が提案者ということはないと考えております。
 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 しかし、こういうふうに狙いをあけすけに述べているわけであります。
 ここで八田さんが言っているのは、何カ月か働いてみて、だめな企業だということがわかれば、もとの官庁に復職できると発言しているんですね。
 石破大臣、そのだめな企業というのは具体的にどういう状況の企業を示すのか、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○石破国務大臣 それはその場になってみなければわかりませんが、それが自分の思っていたことと違う、それが人材を雇用するあるいは募集するに当たって自分が考えていたようなやり方と違うというようなことか。しかし、行ってみたけれどもだめだったというのは、余りそういうことはあっていいことだとは思いませんが。
○佐々木(憲)委員 行ってみたけれどもだめだった、だめな場合は、またもとに戻って官僚をやれる、こういう仕掛けなんですよ、これは。非常に都合のいい話なんです。
 この官民人材移動について、竹中平蔵議員も、議事要旨を見ますと、こう述べているわけです。「公務員が民間企業のために出向するというのは制約があるわけで、それをどうするかという、一見小さいようで、非常に重要な問題を整理していたのですが、これは西村副大臣に最終的に調整をしていただいて、この公務員派遣について法的な措置をとるというところまでこぎつけています。」こういうふうに述べているわけですね。
 名前が出ている西村康稔副大臣にお聞きしますけれども、あなたは竹中平蔵氏から具体的に何を調整してほしいと依頼されたのか、どんなことをやられたんでしょうか。
○西村(康)内閣府副大臣 お答え申し上げます。
 いわゆるコンセッションと呼ばれていますけれども、公共施設等を民間の事業者が運営する、そういうスキームでありますけれども、その場合の公務員の派遣について産業競争力会議のフォローアップ分科会において議論がなされてきておりまして、その開催された実行実現点検会合、フォローアップの会合におきまして、公共施設等運営権事業の安全かつ円滑なスタートをするという観点から、公共施設等運営権者への公務員派遣を可能とするよう議論が行われてきておりまして、法的措置を講じようという方針を取りまとめておりまして、その方針に従って、内閣府を中心に関係省庁と精力的に調整、検討を進めているところでございます。
○佐々木(憲)委員 私がお聞きしたのは、そういう措置をとるようにという要請を、竹中平蔵さんから要請を受けた、こういう事実があるかということなんです。
○西村(康)副大臣 公共施設について、民間事業者に運営権を委ねて運営をしてもらうというスキームで、さまざまな省庁がそれぞれ持っている公共施設について民間事業者に運営委託できないかということで検討している過程で、さまざまなところから、公務員の一定のノウハウは必要だという議論が出てきたわけでございます。
○佐々木(憲)委員 そのさまざまな中に竹中氏も入っていたということだと思うんですけれども。
 要するに、今回の法案の問題点は、公務員だった人が民間企業に行きますと、仕事は民間企業の、その企業の私的な利益のために働くわけです。それは、公務員として、憲法上、公のために仕事をするというのが公務員でありますから、それと筋が違ってくるわけですね。それをクリアしなきゃならぬと。これは趣旨が全然違う職場になっていくわけですから、前例はないし、ハードルが高い。それで、竹中平蔵氏から頼まれて、それを可能にするため、内閣人事局にも話をつけて、全面的に協力するという言質をとった、そういうふうに西村さんはおっしゃっていますね。
 そういう調整を行って法制化にこぎつけた、こういうことなんじゃないんですか。
○西村(康)副大臣 この制度は、公共施設を運営する権者にノウハウを適切に移転して確実に事業を行ってもらおうという観点から、一定の業務について、例えば、安全に付随する関連の業務でこれまで民間事業者が行ったことのない業務、公務員にしかそのノウハウはないような業務がありますので、そういった業務についてのノウハウを移転していく、そのために公務員の一定の派遣を可能にしようという趣旨でございます。
 全体としては、公務員は基本的に公共の利益のために働くということでありますけれども、それを含めて、民間の事業者が公共施設を効率的に運営することによって、地方財政にプラスになる、あるいはサービスが向上していく、さらには、自治体のそういうものについてビジネスチャンスが民間にも広がってくるという、さまざまなプラス面があるということで、そうしたことの法益と公務員が公共の福祉のために働くという公益とを比較考量しながら、法制局においてしっかりとした審査をしてもらっているところでございます。
○佐々木(憲)委員 西村副大臣は、この国家戦略特区諮問会議でこういう発言をされているんですね。「民間に行きますけれども、これはその期間も退職金は通算するし、まだ戻るという前提でやります。これは民間企業に行ってもその期間の仕事を公務員として憲法上、公のためにやるというのと同様に評価をするということで、ちょっと趣旨が違い、前例もなく、かなりハードルが高いのですけれども、内閣人事局は全面的に協力すると言ってくれていますので、」という発言をされているんですよ、10月10日。そうでしょう。うなずいておられるから、そうだと思うんですが。
 これは、公務員と民間企業の労働者との境目を全部取り払って、行ったり来たりできる、そういう仕掛け、公の者が個別の私的企業の利益のために働いて、都合が悪くなったら戻ってこれる、こういう仕掛けなんですよ、今度のこの戦略特区の新しい今回の提案は。
 竹中平蔵慶応大学教授のもう一つの顔は、大手人材派遣会社の株式会社パソナグループの取締役会長ですよね。
 石破大臣に聞きたいんですけれども、大手人材派遣会社の代表が、利害関係のある労働法制を規制緩和する仕組みをつくる諮問会議に入るということは、自分の会社がもうかるように働きかけることも可能となるというわけでありますね。こんなことが許されるんですか。
○石破国務大臣 それは、どういう有識者を任命するかといえば、産業の国際競争力の強化等に関しすぐれた識見を有する者として任命をしているものであって、個別の企業の利益のために調査審議を行っているものではない。
 要するに、委員御指摘のような、そういうような行いをするような者であれば、それは当然任命をされるべきではないでしょう。そしてまた、有識者会議の場のいろいろな議論というものも、それは公になることであって、仮にみずからの企業のために有利になるようなことをするとせば、それはそういう者としては不適格であるということであります。
 ですから、そういうことで選んだのではなく、その御指摘の方がそういうことについてすぐれた見識を有する方であり、なおかつ、そういうような、みずからの利益を図らないということでお願いをしているものだと承知をいたしております。
○佐々木(憲)委員 結果的に、竹中平蔵氏が、人材派遣会社パソナのトップであるという方が、規制緩和をやりなさい、労働法制というのは岩盤の一つであると明確に自分の文書でも主張していますし、本人が述べているわけですね。
 それを緩和するわけです、今度は。その意向に沿って、結果的に、内閣人事局もまあいいだろう、法制化もいいだろう、こういうふうになってきて、その事業で、例えば、このパソナの本体、あるいは、パソナが新たに資本提携会社あるいは子会社を設立して、大阪あるいは東京の特区に進出して、例えば外国人の家事支援派遣の仲介事業、あるいは官民マッチングの人材センター事業、こういうことを行う、そこから利益を上げる、そういうふうに構図としてはなっているんじゃありませんか。
○石破国務大臣 一般論で申し上げれば、このような規制改革事項を提案した会社等がその規制改革を活用して特区内の事業を行うということは、何ら妨げられるものではございません。
○佐々木(憲)委員 本当にそういうことになりますと、自分の会社で利益を、規制緩和の事業でもうけを上げたいという会社の代表が有識者という仮面をかぶって出てきて、それで自分で、私の企業の利益のためにとは口では言わないけれども、結果的にそのようになる規制緩和を法制化させて実行させる。
 これはまことに驚くべき利益誘導政策でありまして、利害関係者でも構わないということであれば、利害関係者は何も会社の代表だけじゃありませんね、働いている人だってそうであります。労働者それから消費者の代表、あるいは関係住民の代表、これは全くそこには入ってこないということになっているわけであります。
 私もこの前質問しましたけれども、この特区というのは、いわば一部の企業の利益を図るためのトップダウンの体制づくりでありまして、労働者や地域住民の意見が反映する仕掛けがない、それから、不利益を受ける者の意思を伝えるルートがない、こういう非常に問題のある法案でありまして、私は、これは、現在の安倍内閣が進めていく企業との癒着、そういうものを加速させるための非常に重大な内容のある法案だと思いますけれども、大臣、これは当然だということなんでしょうか。
○石破国務大臣 これは、議員のその御認識というものは承知をいたしております。恐らく今までも議論があったことかと存じますが、諮問会議の運営規則におきましては、「会議に付議される事項について直接の利害関係を有する議員を、審議及び議決に参加させないことができる。」ということになっておりまして、会議の運営に当たりましては、公平性、中立性を確保しているということになっておるわけでございます。
 ですので、結果的にというふうにおっしゃいましたが、そこの運営というものが公平公正になされる。今御指摘の方が何を主張しても、それは私利私欲に基づくものではないか、自己の私益を満たすためのものではないか、あるいは、そこにおいて、労働者の方、不利益をこうむる方、そういう方々の立場というものを当然反映されて議論がなされているものだと承知をいたしております。
 ですから、そういうような方が恣意的に、あるいは独善的に会議を運営できるものだとは私は認識をいたしておりません。
○佐々木(憲)委員 竹中氏は諮問会議に直接のメンバーとして入っていないかもしれないけれども、諮問会議と連携をする、例えば産業競争力会議のメンバーでありますし、規制改革会議、こういうところに非常に関係が深い方なんですね。したがって、それと連携をしてこういう規制改革を行っていくわけですから、結果として、私的な利益を図る、そういう仕組みをつくるということに直接かかわっていくわけでありますね。これは非常に重大な問題だと私は思います。
 これは、安倍内閣が進めている今の経済政策の特徴を非常に端的に示しているというふうに思うんです。
 大体、財界あるいは経団連から政治献金を再開するというような話があって、幹事長は、ありがたく受けたいなどという卑屈な態度をとる。その一方で、こういう財界、大企業奉仕の体制づくりは着々と進めていく。国民には負担ばかりを押しつける。そういうやり方が、国民全体から政権が見放されていく要因になっていくわけですよ。
 そういうあたりをしっかり自覚していただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

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