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税制(庶民増税・徴税) (消費税, 法人税, 大企業減税)

2014年02月25日 第186回 通常国会 財務金融委員会 【774】 - 質問

法人税減税に道理なし、消費税増税中止を要求

 2014年2月25日、佐々木憲昭議員は財務金融委員会で、法人税減税と消費税増税は景気にも企業にもマイナスの悪循環をもたらすだけだと批判し、道理のない政策の中止を求めました。

 佐々木議員は、税収が20年で15兆円も落ち込んでいることは「異常な事態だ」と指摘。その原因は、景気の落ち込みに加えて、法人税率の引き下げや課税ベースの縮小、黒字でも払わない繰越欠損金制度、連結納税制度など大企業に有利な仕組みにあることを示しました。
 財務省の田中一穂主税局長は消費税導入後の税収額は228兆円にのぼるのに対し、法人税の減収額が209兆円であることを認めました。
 佐々木議員は「もうこれ以上、法人税を下げる理屈は成り立たない。大企業には適切に負担を求めるべきだ」と主張しました。

 さらに佐々木議員は、「小売価格に転嫁したら店がつぶれる」「自己負担でしか納税できない」という小規模経営の深刻な実態を紹介しながら、4月からの消費税率の引き上げ中止を迫りました。
 麻生太郎財務大臣は消費税を価格転嫁できない場合には「(業者などが)自己負担を強いられる」としながら、転嫁対策をとると答えるだけでした。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、委員会の運営の問題ですけれども、今回は、与野党合意のないまま、委員長が職権で委員会を立てたわけであります。これは議会の公平公正な運営、民主的な運営に反すると思いますので、厳しく抗議をしておきたいと思います。
 具体的に質疑に入りますけれども、まず麻生大臣に、今、政府税調あるいは経済財政諮問会議、こういうところで、法人税を下げたら税収が上がるか上がらないか、こういう議論をしていますけれども、なぜこんな議論をしているんでしょうか。
○麻生財務・金融担当大臣 日本がグローバル社会の中で競争していくに当たって、日本の法人課税がグローバル社会の中において不公平に高いのではないかという御意見が一部にあるからというのが大きな背景になっておると思います。
○佐々木(憲)委員 高いかどうかというのは、客観的なデータできちっと検証する必要があると思います。
 それで、前提として、大事なことは、これまでの税制改正が一体どうだったのか、反省することはないのか、そういうことであります。
 きょうは、基本的なことからお聞きをしたいんですけれども、少し長いスパンで捉えてみたいと思うんです。
 まず、日本で今までで一番税収が大きかったのはいつか、その税収総額は幾らだったか、また、今年度補正後の税収総額は幾らか、数字だけお答えいただけますか。
○田中政府参考人(財務省主税局長) お答えいたします。
 今までで一番一般会計税収が大きかったのは、平成2年度決算額60・1兆円でございます。
 それから、25年度の補正後の予算の一般会計税収は、45・4兆円でございます。
○佐々木(憲)委員 多かったときは60兆円あったわけであります。今は45兆円ということですから、15兆円、大変な税収の落ち込みであります。これは極めて異常ですね。
 日本の税制で一番大きな柱になっているのは、所得税、法人税、消費税、今三つであります。
 何が問題だったのかということで、それを考える前提としてお聞きをしますけれども、一番税収総額が多かった1991年ごろ、それぞれが税収に占める比率、これはどのようになっていたでしょうか。
○田中政府参考人 お答えをいたします。
 1991年度の一般会計税収の決算に占めますそれぞれの税の割合でございますが、所得税が44・7%、法人税が27・7%、消費税が8・3%でございます。
○佐々木(憲)委員 今のお答えのとおり、所得税と法人税、これが大宗を占めておりまして、合わせて7割を超えているわけであります。
 では、今の構成はどのようになっていますでしょうか。
○田中政府参考人 お答えをいたします。
 今現在、26年度の、今回の一般会計税収の予算に占める割合でございますが、所得税が29・6、法人税が20・0、消費税が30・7ということになります。
○佐々木(憲)委員 これは非常に大きな構成の変化が起こっておりまして、所得税、法人税は半分に落ち込んでいるわけですね。それにかわって消費税が倍増して、現在ではこの三税の中で一番多い。増税が行われた場合はそうなってしまうわけであります。
 そこで、税収がなぜ全体として落ち込んだか。その主要な要因は法人税と所得税の減収であります。
 まず、所得税についてでありますが、こんなに減った原因は一体どこにあるのか、お答えいただけますか。
○田中政府参考人 平成3年度から平成23年度という比較をいたしまして、その間、法人税もあるいは所得税も下がっているわけでございますけれども、一つは所得税の減税がございます。それから、国税でございますので、税源移譲がございます。それから、もう一つの要因としましては、平成9年がピークだと思いますが、雇用者報酬の総額が落ちてきているというのが原因。それから、もう一つの最大の原因は、源泉分離課税で取っております利子とか配当あるいは土地のような若干資産性の所得がバブル期以降がたっと大きく落ちておりますので、この要因も大きいと思います。
○佐々木(憲)委員 この間の所得税改革で一番注目されるのは、最高税率の引き下げが行われて、高額所得者に対する減税が行われたということであります。課税最低限を下げて庶民増税を行ったということがありますけれども、大臣、高額所得者減税というものが税収を落ち込ませた原因の大変大きな要因だったと思いますが、そういう認識はありますか。
○田中政府参考人 ちょっと手元に具体的な数字はございませんけれども、いわゆる所得税の最高税率の引き下げが、先ほどの所得税収の引き下がりの中の大きな要因であるというふうには考えておりません。対象人数の問題もございますものですから、やはり先ほど申し上げました、所得税の地方への移管の問題、それから雇用者報酬全体が平成9年をピークに下がってきている問題等々の方が大きい影響があると考えています。
○佐々木(憲)委員 確かに、この間、賃金がずっと下がってきているんですね。1997年をピークにしてその後一貫して下がり続けているんですね。庶民生活の大変大きな打撃が起こったわけです。
 それは、非正規雇用が大きくふえて全体として水準が下がったこと、それから、賃上げが行われなかった、むしろ賃金を下げながら企業の収益拡大を図った、そういうことで全体として所得が落ち込み、所得税の納付が下がってきた。それに合わせて、今言われたように、高額所得者の減税があった、また、地方への移管もある。そういう全体の構造の中で、所得税の税収がずっと落ち込んで、それが最近横ばいになっているんです。
 ところが、次に法人税の問題ですね。法人税はどうか。
 表面税率を見ますと、一番高いときは43・3。それが一貫して、階段が落ちるようにどんどん下がっていっているわけです。今で25・5でありますが、これは大変大幅な減税が行われたと言っていいと思います。その減税と景気の低迷も相まって、全体として法人税収が落ち込んだ。
 減税をしたということもその大きな要因だと思いますけれども、大臣はどのように認識されていますか。
○麻生国務大臣 法人税の減税をした大きな背景は、国際的な競争の中にあって、法人税率が高いというのは国際競争上いかがなものかという御意見が非常に多かったというのが大きな背景だったと記憶します。
○佐々木(憲)委員 それは理由の説明であって、法人税を下げたことが税収が減ってきた原因であるということは事実だと思うんですね。
 そこで、先ほども少し議論があったようですけれども、257万社、現在日本には法人がありますね。赤字法人は基本的には税金を払わない、こういうことであります。欠損企業、すなわち赤字企業は、1991年は一体何社あって、それが全体に占める比率はどうだったか、現在はどうなっているか、数字をお答えいただきたいと思います。
○田中政府参考人 お答えをいたします。
 国税庁の調査によりますと、いわゆる欠損法人の会社の数でございますが、平成3年分におきましては、110万2689社、これが全法人に占める割合が49・7%ということでございます。それから、23年度が一番直近のデータでございますが、これは、欠損法人の数が185万9012社ということで、全体に対する割合が72・3%となっております。
○佐々木(憲)委員 平成3年度で、赤字企業は半分ですね。現在は、72・3%ですから、7割を超えているわけであります。非常に赤字企業の数がふえているということですね。それが法人税収が落ち込んでいる原因の一つなんです。
 同時に、重視しなきゃならないのは、黒字の企業でも税金を納めなくていい、こういう仕組みがありますけれども、これはどういうものがありますか。
○田中政府参考人 幾つかの租税特別措置がございますけれども、一番大きなものは、いわゆる租特と言われるもののほかに、欠損金をつくって、過去赤字だった企業の欠損金の繰越控除制度というのがございまして、これで、黒字の法人もその分を抱えておれば、一定の条件はございますけれども、黒字を消すことができるというものでございます。
○佐々木(憲)委員 もう一つは連結納税制度だと思いますが、いかがですか。
○田中政府参考人 これは、法人課税をどの単位でかけるかという議論でございますので、先ほどのものとはちょっと違いますけれども、連結制度がないときに比べると課税ベースが落ちていることは事実でございます。
○佐々木(憲)委員 連結納税制度は、企業グループがあって、赤字企業、黒字企業、それをあわせて相殺すれば、黒字でも事実上税金がかからない、そういう仕掛けになっているわけですね。
 まず、欠損金の繰越控除でありますけれども、例えば平成23年度の実績で、これはどれだけ減税が行われたか、金額を示していただきたい。
○田中政府参考人 お答えをいたします。
 欠損金の繰越控除制度によりまして、平成23年度の実績でございますが、国税についてお答え申し上げますと、現時点における税率が、大法人で25・5%、中小法人で23%ですけれども、欠損金の繰越控除額にそれぞれの税率を乗ずることによりまして、税収ベースで2・3兆円、そうでなかったときに比べて税収が少なくなっているということでございます。
○佐々木(憲)委員 これは大変大きな減税でありまして、2・3兆円という規模ですね。
 今回、この適用期間を7年から9年に延ばすという提案を行われておりますけれども、これでさらに幾らの減税効果があるんでしょうか。
○田中政府参考人 これは、今回の制度改正、今お願いしております法律の中ではございませんで、何年か前の法律改正で行われたと。
 数字については、今調べてお答えします。
○佐々木(憲)委員 この連結納税制度も、黒字でも減税を受けるという仕組みになっておりますし、それから欠損金の繰越控除という制度も、過去の赤字で黒字を相殺する、そういう形で9年間減税が行われるというわけであります。こういうものを利用すると、大きな会社の場合は、特にその利用率が高いわけでありますけれども、大変な減税になるわけです。
 このほか、課税ベースを狭めているものとしては、研究開発減税あるいは受取配当益金不算入などさまざまなものがあります。
 そこで、全体として聞きたいんですけれども、本来の課税ベースというのは一体幾らなのか、それをいろいろな制度によって狭めているわけです、それを狭めているのは一体どのぐらいなのか、お答えいただけますか。
○田中政府参考人 課税ベースのデータそのものというよりも、税収ベースに直してお話をしたいと思います。
 23年度の会社標本調査、国税庁が行っている調査がございますけれども、それから計算をいたしますと、お話のございました欠損金の繰越控除制度あるいは租税特別措置あるいは連結納税あるいは受取配当の益金不算入というような制度によりまして、約4・5兆円、法人税収ベースで税収がその分だけ小さくなっているということでございます。法人税収は約9兆円ぐらいということでございます。4・5兆円の税収の減少を経た上で、法人税収が9兆円弱ぐらいになっているということでございます。これは23年度のベースでございます。
○佐々木(憲)委員 法人税収が約9兆円と言いましたね。減収分が4・5兆円というわけですから、本来なら、この4・5兆円は増収になって、13・5兆円ぐらいの規模の税収があるべきものなんですよ。それを幾つか、いろいろな理由をつけて、課税ベースをだんだん狭くしている。したがって、課税ベースが小さくなれば税収は上がらないわけですね。
 それから、全体としていいますと、赤字法人が非常にふえてきております。半分だったのが、今は7割以上が赤字法人。課税の対象が狭まると同時に、対象となる企業が少なくなっていく。法人税収がそういう形で落ち込んでいっているわけであります。
 そのため、これは大変な落ち込みになってきておりますから、一体これでいいのかどうか、適切な課税というものがやはりあるのではないか、こう思うわけです。
 仮に、消費税が導入された1989年の税制を基準にしてその後の法人税の減収分を合計すると幾らになるか、数字をお聞かせいただきたいと思います。
○田中政府参考人 平成元年度、1989年度の法人税の税制を基準にいたしましてその後の法人税の減税分を合計すると幾らになるかという機械計算をすることになりますが、法人税の減税の税収に与える影響額についての一つの試算といたしましてやる必要がありますが、平成元年から平成23年までに実施されました法人税の改正による増減収見込み額、これを単に機械的に試算をいたしますと、合計で約60兆円程度というふうになるものだと思われます。
○佐々木(憲)委員 では、この間、消費税の導入それから増税というのが行われまして、全体として消費税の総額は今までに幾らになったでしょうか。
○田中政府参考人 これも機械的な計算でございますが、消費税を導入いたしました平成元年度から平成26年度、今回の予算までの消費税収、一般会計分の額を全部機械的に合計いたしますと、227兆8千億というふうになります。
○佐々木(憲)委員 消費税の方は、総額としては約228兆円、これだけの増収になっているわけですけれども、法人税の方は、今、減税のところだけ機械的に足したら60兆円、こういうわけですね。
 簡単に言うと、これは、消費税で国民から取り上げて、その税を法人税の減税に回している、こういう感じになっているんじゃありませんか、大臣。
○麻生国務大臣 数字が合っているからといって、それが全ての背景とは思っておりません。
○佐々木(憲)委員 一方では増税、一方では減税というわけでありまして、国民の方は何か搾り取られるだけで、企業の方はどんどん減税が行われる、それもいろいろな理由をつけて行われているわけであります。
 この間の法人税の、全体の税収が60兆円のときから今までの間の法人税の減収分、これを全部足すと幾らになるか。その数字は出ますでしょうか。
○田中政府参考人 済みません、おっしゃっている意味が、法人税の税収が一番大きかった時代から見て、今までの毎年の法人税の落ち込みを全部足していくとどのぐらいになるかということなんだろうと思うんですが、急に私も目を通したものですから、間違っていれば後で訂正させていただきますが、平成元年から平成23年までの分をそういう意味で計算いたしますと、208兆8千億というふうに出てくると思います。
○佐々木(憲)委員 そういうことなんですね。
 そうしますと、227兆8千億、消費税が課されて、この間、増収があった。これは単に減税措置ということだけではありませんけれども、法人税の減収分を合計すると、208兆8千億、こうなるわけですね。ほぼ見合うぐらいの形になるわけで、我々は、これはやり方としては極めて不平等で不公平ではないかというふうに思うわけであります。もうこれ以上法人税を下げる理屈は成り立たないと私は思うんですよ。
 ところが、安倍総理は、ダボス会議で、異次元の税制措置を断行する、こういうふうに言っているんですね。異次元の金融緩和というのは聞いたことがありますけれども、異次元の税制措置、これは初めて聞きましたが、これはどういう意味ですか、麻生大臣。
○麻生国務大臣 今までと次元が違うということを意味しておられるんだと存じます。
○佐々木(憲)委員 どんな次元の違う税制措置なんですか。
○麻生国務大臣 異次元という言葉がはやって、やたら使われるものが最近ふえていると思いますけれども、私に言わせると、今までとは異なっているという意味だと理解しております。
○佐々木(憲)委員 何が異なっているんでしょうか。
○麻生国務大臣 今までの税制の改革とは違っているという意味だと理解しております。
○佐々木(憲)委員 安倍総理の頭の中には法人税の引き下げというのがあるのではないかと思いますが、それを大胆にやるというのが異次元の税制措置、こういう意味なんじゃないんですか。
○麻生国務大臣 違うと思います。
○佐々木(憲)委員 違うと言ったんですね。
○麻生国務大臣 明言されておりませんので、違うと思います。
○佐々木(憲)委員 異次元の税制措置という言い方をされている、こういうことで報道されておりますけれども、私は、これは法人税の減税ということで言われているとすれば、余りにもこれは飛びはねている、まさに異次元に飛びはねているというふうに思いますよ。
 最近は、言うに事欠いて、法人税を下げたら税収が上がると珍論を展開されているようでありますが、2月19日の朝日、「経済気象台」というコラムがありまして、そこにこういうことが書いてあります。「法人税のパラドックス」というコラムですけれども、法人税引き下げを批判しておりまして、ここでは、欧州の事例を念頭に置きまして、法人税を下げたら法人税収は増大するというのは間違いだ、こう言っているんです。欧州では、法人税がふえたのは、税率引き下げとともに課税ベースの拡大を行ったからで、単純に引き下げたから成長というふうには言えない、こういうふうに指摘をしているわけです。
 麻生大臣、そういうふうに思いませんか。
○麻生国務大臣 イギリスとドイツとスウェーデンの例を引いておられるんですか、それは。
 それはイギリスとドイツとスウェーデンの例を引いておられますが、同時に、フランスとアメリカの例も引いていただければ、その違いを御理解いただけると存じます。
○佐々木(憲)委員 私も全くそのように思うんですね。
 2月20日の経済財政諮問会議に民間四委員が配付した資料を見ますと、こう書いているんですよ。「法人税率を下げても税収が上昇した国での背景分析」、こういう項目がありまして、その背景分析をした国は、イギリス、ドイツ、韓国、この三つですね。フランスもイタリアも入っておりません、アメリカも。
 成長要因と制度改正による課税ベースの拡大が寄与。課税ベースが拡大していることが寄与しているというのが、この民間委員の資料の中にもイギリスの場合として書いてある。
 それから、ドイツの場合も、制度改正等による課税ベースの拡大が寄与と書いてあります。ですから、課税ベースを拡大するから一定の税収が上がる。それから、その背景に経済成長というのがあったんでしょう。
 それから、もう一点は、韓国の場合は、自営業者所得の伸びよりも法人企業所得の伸びが高いというふうに書いていまして、いわば法人成りというんですか、そういうことが起こっている。こういうものが背景にあって税収が伸びている、こういうことが書かれているわけなんですね。
 だから、法人税を下げたから税収がふえると単純に言うことはできないんじゃないかと思うんです。
 甘利大臣は、2月20日の記者会見でこう言っているんです。経済成長をすれば法人税収は上がるということは間違いない、しかし、法人税の減税をすることによって、それが経済成長につながるというのは、いろいろな例があります、こう述べているんですね。
 麻生大臣にお聞きしたいんですけれども、経済成長があれば法人税収は伸びる、これは正しいと私も思う。しかし、法人税の減税をしたら経済成長するというふうに直結はしないのではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○麻生国務大臣 一番わかりやすい例はレーガノミクスだと思います。レーガノミクスは、一回目やったときに大減税をやって、どうなりましたか。双子の赤字だったじゃないですか。レーガノミクスが成功したのは二回目です。二回目で大増税をやって、成功しています。一番いい思いをしたのは、その後のクリントンという大統領が一番いい思いをされた8年間だったと思います。その前の8年間は共和党の政策。いい思いがクリントン。私はそれが歴史だと思いますので、安易な減税が直ちに収益につながるというほど経済というのは簡単なものだと思ったことはありません。
○佐々木(憲)委員 経済成長があったときは、一定の減税をしようが増税をしようが税収は上がってくる。しかし、経済成長がない場合は、何をやったって増収にはならない、法人税についてはそういうことだと思うんですよ。それを何か関連づけて、無理やり、法人税を減税したいものですから、いやいや、減税をしたら増収になる、昔何か聞いたことがある言葉でありまして、そうではないんです。この点では、一定の、麻生さんと私の間には認識の共有があります。
 だから、何か法人税をどんどん減税して、今やり過ぎですから、これは。余りにもやり過ぎですよ。もうこれ以上やる必要はない。むしろ一定の負担を求めるぐらいの、そういう姿勢に立つ必要があるというふうに思います。
 次に、4月から消費税を8%に上げるというわけですけれども、上げた場合には、先ほどの御答弁がありましたが、所得税、法人税、消費税、この構造が大きく変化をしまして、消費税が断トツ、第一位に躍り出るわけです。30・7%の比率を占めるようになる。3割を消費税で占める、これは、過去の、消費税導入以来の歴史初めてのことなんですね。
 この消費税の税収が最も規模の大きな税目となるのがこの4月以降であります、これが実行されたらですよ。我々はこれは反対ですけれども。庶民に大増税を押しつけて大企業には減税を行うというこれ自体が私は不公平だと思うんですけれども、経済の循環、景気の回復という点からいいましても、家計消費が全体のGDPの6割を占めておりますから、この6割を占めている家計にこういう増税を強行すれば、マイナスになるということは明らかじゃないかと思います。景気が落ち込んだら法人税の税収も落ち込みますから、そういうことになる危険性があるのではないか。
 麻生さん、どのようにお考えですか。
○麻生国務大臣 今のお話ですけれども、法人税の減税によって大企業というものだけが潤っていてという感じで、低所得者やら中小企業者が負担のみを押しつけられているのではないかという御懸念に基づく御質問なんだと思います。
 26年度の税制改正においては、生産性の向上につながる設備投資の減税をまずやっていただきます。これが一番です。交際費課税の緩和、所得拡大促進税制の拡充、復興特別法人税の1年前倒し廃止など、企業行動を促すための税制を決定したところでありますが、これらは、基本的には、企業の収益力というものを高めるとともに、足元及び将来の企業収益というものの改善、そして個人の所得の拡大、そして消費の拡大につなげるという経済の好循環の実現を目指す上に行うものであります。
 したがって、個人にも企業にもこれがいろいろな意味でよい影響を波及させるということが狙いであって、大企業のみを支援するという御指摘は適切ではないと考えております。
 また、所得の低い方々に対しては、消費税率の引き上げによる影響を十分に緩和するために簡素な給付措置を講ずるなどなどをいたしておりますし、中小企業に対しましても、税制上の対応に加えて資金繰りの支援などの施策を実施するということは、もう御存じのとおりであります。
○佐々木(憲)委員 急に何か書いたものを読み始めたんですけれども、これは、全体としていいますと、説明になっていないんですよ。
 つまり、一方で、消費税で庶民には大変大きな負担をかけるわけでしょう。
 設備投資減税は、これは設備投資をやる場合に何がきっかけかというと、需要があるかどうかですよ。需要もないのに設備投資してどうするんですか。それは、稼働率が下がって、かえってマイナスになるでしょう。誰が考えたってわかる。ですから、需要を喚起する、最終的な家計消費をどう喚起するかということなしに幾ら減税をやっても、減税したら何でも投資するかというと、そんなことはありませんから。それがまず一つですね。
 それから、交際費の問題。これも極めて限られていますよ。国民消費全体からいうと、極めて微々たるものです。
 そういうことをやったから何かうまくいくかのように言うけれども、全体でいいますと、消費税をどおんと増税しておいて消費をぴしゃっと冷やして、一部でちょろちょろっと企業にこういうサービスをやってみたところで、どれだけの効果があるんでしょうか。それが結果的には企業の収益をかえって落とすことになり、需要が落ちてしまいますから企業の収益も落ちて、それが悪循環になってくるという危険性の方が大きい、私はそう思うんです。
 中小企業にとっても今は非常に大変な時期でありまして、円安で輸入物価が上昇して原材料が上がって、非常に困っているわけです。燃料、資材、こういうものが製品価格に転嫁できないということで困っておりまして、中小企業にとってはこれが死活問題になっております。
 麻生大臣は、こういう今の資材の上昇、これがなかなか価格に上乗せできないという現状をどの程度御存じなんでしょうか。
○麻生国務大臣 資材に、転嫁できているものとできていないもの、二つ、差があると思っております。
 セメント、今ではなかなか上がっていないものの一つですから、よくわかります。上がっているもの、同じく建築資材でもやたら上がっているものもあります。物によって随分差がある。
 私どもは、実質、現場にいたことがありますので、物によって非常に差がある、それは、力関係、流通の力関係、いろいろなものによって決まりますので、どれが答えというのがあるわけではないとは思いますけれども、物によって非常に差があるということだけは知っております。
○佐々木(憲)委員 確かに、物によって差があるのは事実でしょう。
 ただ、今、例えば、日本商工会議所の昨年11月の早期景気観測調査によりますと、原材料の上昇分をほとんど転嫁できていないという企業が6割あるんです。転嫁できていない分というのは、これは自己負担になると思うんですけれども、どう思いますか。
○麻生国務大臣 自己負担になっているところをどう思うか、そういう意味ですか。おっしゃっている意味がわからないんですが、自己負担になるところをどう思うかという意味ですか。(佐々木(憲)委員「いや、自己負担になっていると思いますが、その現状についてどのように思いますか」と呼ぶ)
 自己負担になっています。したがって、企業はその分だけ収益が減っております。
○佐々木(憲)委員 おっしゃるとおりですね。だから、自己負担になるから大変な事態になっていて、中には、原材料の高騰によって、もうやっていけないというところが出てきているということなんです。その上に今度は消費税が上乗せされるわけですよ、4月から実行すれば。
 消費税というのは、麻生大臣、誰が負担する税金だと思いますか。
○麻生国務大臣 書いてあるごとく消費者です。
○佐々木(憲)委員 では、その納税者は誰ですか。
○麻生国務大臣 消費をされた品物を売った本人がその消費税を乗せて販売をしておりますので、消費税をいただいておるわけですから、その人が国に納める、その業者ということになろうと存じます。
○佐々木(憲)委員 税を負担する消費者と、それから納税する者が分離しているわけですね。消費税というのは、間接税というのはそういう特徴を持っているわけです。したがって、事業者は、仕入れにかかった消費税分も含めて、販売するときに価格に上乗せするということが原則になっております。
 しかし、実態は、私、2月3日の予算委員会でも質問したんですけれども、茂木大臣はこう答えたんですね。
 政府が2011年に中小企業四団体に依頼して行った調査で、売上高3千万以下の業者のうち、消費税を転嫁できないと回答したのは何割ありますかと聞いたことに対して、5%分を全部転嫁できているが39・6、1部転嫁できているが26・2、ほとんど転嫁できていないが34・3%、こういうふうに答えました。今後消費税が引き上げられた場合、転嫁の見込みはどうか。全て転嫁できると回答する企業は27・5%だけで、一部転嫁できると回答された方は31・6、ほとんど転嫁できないと思うと回答された方が40・9、こう答弁しているわけです。一部しか転嫁できない、あるいはほとんど転嫁できていない、これを含めますと、7割ですね。
 経産省が行ったこういう調査で転嫁できていないと答えた中小企業は、当然、消費税を消費者から預かっていない。それでも業者は納税の義務があるわけですね。したがって、消費税を預かっていない業者は、それをどこかから出さなきゃいけない。これは自己負担ということになるんじゃありませんか。
○麻生国務大臣 基本的に、消費税というものは、これが転嫁できるようにいろいろな形で、考え方によったら独占禁止法違反じゃないかと思うほどいろいろな御意見が出る中、価格転嫁をするということを決めて、事はスタートをさせていただいております。
 その結果、消費税が上がるということは、それは結果として、回り回って、その消費税の上がった分によって社会保障というものは達成されるわけですから、消費税が上がらない限りは社会保障と税の一体改革は達成しないということだと思いますので、これは、私どもとしては価格に転嫁できるように精いっぱいやっていく、それが我々に与えられた使命だと思っております。
○佐々木(憲)委員 消費税の使い方については別途議論したいと思いますけれども、私がお聞きしたのは、7割が、一部あるいは全部転嫁できていない、こういうふうに答えているわけで、そういう方々はそのお金をどこから出しているのかと聞いているんですよ。
○麻生国務大臣 先ほどもお答えしたと存じますけれども、多くの方々は、企業の中の内部留保から納めていらっしゃるのか、何らかの形で自己負担を強いられておられる方が多いであろうと思います。全てとは申しません。
○佐々木(憲)委員 結局、自己負担せざるを得ない。これは、原材料が上がった場合も自己負担ですから。価格が消費税分上がるわけですね、仕入れ価格も。また、自分自身のところでも一定の上乗せをしなきゃいかぬ。そういうものが最終的に転嫁できない場合には、当然、納税者は自分ですから、業者は自分で納めなきゃならない。誰かが貸してくれるか。その分貸してくれるというところはありませんので、当然、自己負担になる。
 その自己負担の仕方は、ぎりぎりで生活をしている、商売をやっている中小零細の業者の場合は大変深刻なんです。滞納が出てくる。そうすると、滞納解消ということで今度は差し押さえが来る。こういうような話が頻発しかねない。だから、もう4月の増税前に店を畳んでしまう、こういうような声も出る、そういう状況であります。
 これは非常に深刻な事態でありまして、最近、こういう話があります。例えば、お弁当の業者の方は、現在何とか消費税を納税しているけれども、8%になったら転嫁できないというんですよ。主力商品のお弁当は競争が激しいので、自分のところは400円、しかし、近所のコンビニ、大手の弁当屋は300円だ。消費税を上乗せしたらとても太刀打ちができない。したがって、消費税の増税分は自腹を切るしかないと考えているが、それでも店がもつかどうかわからない、こういうふうに答えているわけです。
 下請の場合は、これは下請Gメンとか転嫁Gメンとかいろいろ言われていますけれども、親会社との関係というのがあります。しかし、町の小売店の場合、一番深刻なのは、転嫁したら、値上げしたらお客さんがいなくなるわけですよ。転嫁しなければ、自分が負担しなきゃならぬのです。どっちへ転んでも、これはなかなか大変な状況なんです。
 ですから、こういう方々に対して一体どういう対策があるのか、麻生大臣、お答えいただきたいと思います。
○麻生国務大臣 これは少なくとも、価格転嫁、消費税を上げるという方向での価格転嫁に関しましては我々は全力を尽くしていくというのを先ほど再三申し上げているところでありまして、消費税は回り回って一人一人の社会福祉の全体にかかわってくる税金でもありますので、私どもとしては、消費税を上げて、それで物が売れるような方向でやっていただける、その方向に支援するということだと存じます。
○佐々木(憲)委員 社会福祉に回るかどうか、私はこれは非常に疑問に思っております。それはまた次回議論したいと思います。
 転嫁するように努力をする、転嫁したらお客さんがいなくなって店が潰れてしまう、こういうのが実態じゃないですか。転嫁しなければ自分が持ち出しで、やっていけない。これはどっちに転んでも大変な状況になる。日本の中小零細企業あるいは商店街の零細な商店の方々はこの消費税の増税によって大変な痛手を受けるということは、これはもう容易に想像できるわけです。
 しかも、このことによって負担増ということになりますと、最近の世論調査を見ましても、8%になったらあなたは消費を抑制しますかどうしますか、答えが、抑制しますという方が圧倒的に多いんですよ。これは毎日新聞も読売新聞も、世論調査で出ておりますね。
 こういう状況を考えますと、私は、日本の今の状況で消費税を増税するということは、景気に対して大変なマイナスになる、ひいては企業の収益にも悪影響を与え、そしてまた日本経済の好循環、かけ声は好循環だけれども、悪循環に逆に落ちてしまう、そういう大変重大な事態を招くというふうに思うんです。
 したがって、最大の対策は、消費税増税をやらないということです。
 法人税を減税するなんていうのはもってのほかでありまして、そんなお金があるなら、法人に対して一定の負担を求めるというようなことを政府としてはやるということの方が、むしろ日本経済全体にとってプラスになる。大体、内部留保が全部で300兆円以上、大企業だけでも272兆円です。
 こういう状況を考えると、一定の負担を大きな企業に対しては求めていくという姿勢に転換するということがどうしても必要だ、私は、このことを最後に申し上げまして、残った質
問はまた次回に回したいと思います。

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