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税制(庶民増税・徴税), 財政(予算・公共事業) (消費税, 大企業減税, 選挙制度, 強行採決, 社会保障・税一体改革)

2012年08月28日 第180回 通常国会 本会議 【696】 - 討論

公債法案が衆院通過 本会議で反対討論

 2012年8月28日、本会議で、赤字国債発行のための公債特例法案が民主党、国民新党と新党大地の賛成多数で可決されました。
 日本共産党、国民の生活が第一、公明党、みんなの党、社民党などが反対しました。自民党、たちあがれ日本は欠席。
 反対討論で、佐々木憲昭議員は、与野党の合意もなく民主党が一方的に日程を決めて強行した暴挙に抗議しました。

 今年度予算の財源確保のための法案ですが、この予算が消費税増税を前提とし、年金削減など社会保障の連続改悪、八ツ場ダムや次期戦闘機F35などムダ遣いを進めるものだと指摘。一方で富裕層、大企業に年間1.7兆円も新たに減税するために、多額の赤字国債発行は許されないとのべました。
 社会保障の財源は、証券優遇税制の廃止など所得税の累進性強化、大企業優遇税制の是正、ムダ遣いにメスを入れて確保すべきだと強調。民自公3党の修正で、年金国庫負担引き上げの財源を交付国債からつなぎ国債へ代えたところで、償還に消費税増税分を充てることに変わりないと批判しました。
 佐々木議員は、民自公3党合意は破たんしつつあると指摘。社会保障を検討するとした「国民会議」も機能せず、「大増税だけが先行する最悪の事態」と強調。わずかな富裕層増税さえ削られ、低所得者対策も示されないまま、「無慈悲に大増税だけを国民に押し付けるのは許されない」と批判しました。

議事録

○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表し、平成24年度における公債発行の特例に関する法律案に対し、反対の討論を行います。(拍手)
 初めに、与野党合意のないまま、与党民主党によって一方的に公債特例法案の採決日程が決められたことに、厳しく抗議するものであります。
 民主党は、このようなことをやって、一体どのような展望があるというのでしょうか。仮に法案を参議院に送っても、与党が過半数割れの参議院では、否決か廃案しかないではありませんか。政府・民主党の議会運営は、全く理解できません。
 公債特例法案だけではありません。全野党がこぞって反対しているにもかかわらず、本日の本会議の議題として定数削減法案が上程されたことにも、厳しく抗議するものであります。
 民主党は、この間、衆議院選挙制度に関する各党協議を一方的に打ち切り、単独で国会に法案を提出して、委員会への付託を強行し、さらに、単独で趣旨説明、質疑を行い、採決まで強行したのであります。
 選挙制度は議会制民主主義の土台であり、与党民主党だけで強行することは断じて許されるものではなく、憲政史上、これほどの暴挙はありません。定数削減法案の採決をやめ、各党協議に戻すことを強く求めるものであります。
 この際、自民党にも一言言っておきたい。
 自民党は、民自公三党の密室談合で、消費税大増税法案を強行しました。その直後から、一転して態度を豹変させ、今度は、増税談合の相手に問責決議を出すと言い出しました。これは、どう考えても、茶番としか言いようがありません。
 問責を言うなら、なぜ、我々七党が提案した内閣不信任案に賛成しなかったのでしょうか。自民党の態度は、支離滅裂であり、納得できるものではありません。
 次に、特例公債法案に反対する理由を述べます。
 反対の第一の理由は、この法案が、今年度予算の財源を確保するためのものであり、我が党が反対する予算と一体のものだからであります。
 野田内閣による今年度予算は、消費税増税を前提としており、さらに、年金の支給額の削減、子ども手当の削減など、社会保障の連続改悪を進めるものとなっているのであります。国民の多くが、生活を切り詰め、将来不安を抱えているとき、野田内閣は、2015年までに約20兆円もの新たな負担を庶民に押しつけようとしているのであります。
 国民の暮らしも、経済も、財政も破壊する道に踏み出す予算に賛成できないのは、当然であります。
 さらに、中止を公約した八ツ場ダムや東京外環道路などの無駄な大型開発を次々と復活させ、重大な欠陥が指摘され、完成もしていないF35を次期戦闘機として買い入れるため総額1・6兆円も費やすなど、税金の無駄遣いを進めるものとなっているのであります。
 富裕層や大企業には、年間1・7兆円もの新たな減税を施した上、さらなる法人税減税を目指す予算ともなっているのであります。
 このような予算を支えるために多額の赤字国債を発行することは、到底許されるものではありません。
 社会保障の財源は、証券優遇税制の廃止などによって所得税の累進性を強めること、大企業を優遇する不公平税制を是正すること、大型開発や軍事費などの歳出の無駄にメスを入れることなどによって確保すべきであります。
 旧態依然とした大企業中心の成長戦略や、TPP参加という危険な道に踏み出すのではなく、家計消費を中心とした内需主導へとかじを切りかえるべきであります。そのためにも、大企業の内部にため込まれた260兆円もの内部留保を国民に還元させるべきであります。
 なお、民主、自民、公明の三党合意に基づき公債特例法案の内閣修正が行われましたが、これは、本年度分の基礎年金国庫負担分を二分の一に引き上げるための財源を、交付国債からつなぎ国債に変えるというものであります。
 そのような修正をしても、償還財源に消費税増税分を充てることに変わりはなく、賛成できるものではありません。
 最後に指摘しなければならないのは、民自公の三党合意が既に破綻し始めているということであります。
 社会保障制度改革推進法で定められた国民会議は、三党の間で一致しなかった課題を今後協議していく場として位置づけられ、設置期間は、8月22日の法施行から1年以内と決められました。
 民主党は、この国会中に設置を求めていますが、自民党は、解散・総選挙の後だとして、拒否しています。こうなると、消費税の大増税だけが先行するという最悪の事態になるのであります。
 もともと税制法案の原案にあった、ささやかな富裕層への増税も、三党合意で削除されました。これが来年度税制改正で復活する見込みもありません。低所得者対策も、かけ声倒れで、具体的な方針が全く見えないではありませんか。
 これらの課題を棚上げして、無慈悲に消費税の大増税だけを国民に押しつけることは、絶対に許されません。
 今、野田内閣がやるべきことは、国民の信を問うことであります。直ちに解散・総選挙を行うよう求めて、反対討論といたします。(拍手)

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