2012年06月21日 第180回 通常国会 議院運営委員会 【686】 - 発言
国会会期「延長は悪法のため」反対表明
第180国会閉会日の2012年6月21日、衆院本会議で、国会会期を延長し9月8日までにすることを与党などの賛成多数で議決しました。
本会議に先立つ議院運営委員会で、佐々木憲昭議員は、79日間の国会会期延長について、多数の国民世論を踏みにじり、民主・自民・公明3党が密室談合でまとめた消費税増税と社会保障改悪の法案をゴリ押ししようとするものだと強調し、「こんな悪法を通すための会期延長は到底認められない」と反対しました。
佐々木議員は、3党が共同提出した「社会保障制度改革推進法案」はまったくの新法案であり、国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障する憲法25条を真っ向から否定するものだと指摘。
重大法案を会期末前日の20日21時に提出し、各議員には21日朝に配布されたばかりであり、「一体改革」関連法案の修正案はまったく示されていないと告発。「まともな法案の検討、審議の余地さえないままの採決など、国会の役割を否定する暴挙だ」と批判しました。
議事録
○小平委員長 これより会議を開きます。
まず、会期延長の件についてでありますが、本日、民主党の輿石幹事長、国民新党の下地幹事長から、会期を6月22日より9月8日まで79日間延長せられるよう議長においてお取り計らい願いたい旨の申し入れがありました。
本件につきましては、先般来の理事会において種々御協議願ったのでありますが、いまだ各党の意見が一致するに至っておりません。
また、本件につきましては、先ほど常任委員長会議が開かれ、議長から各常任委員長の意見を徴されたのでありますが、常任委員長会議におきましても、意見は一致いたしておりません。
この際、発言を求められておりますので、これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 今回の79日間の会期延長は、国会史上かつてないものであるにもかかわらず、本会議における討論も認めないことに厳重に抗議するものであります。
重大なことは、会期延長の理由であります。
最大の理由は、消費税大増税を押し通すための会期延長だということであります。
各種世論調査でも、国民の5、6割は消費税増税に反対であります。今国会であえて成立させる必要はないとの声は7割前後に上っております。この国民の声をじゅうりんすることは許されません。
しかも、消費税増税は、総選挙での民主党マニフェスト、公約に違反するものであります。
国会論戦を通じても、暮らしも、経済も、財政も壊す消費税大増税の害悪が明瞭となりました。しかも、社会保障改悪をごり押しするための会期延長だということであります。
我が党は、社会保障と税の一体改革は、その実、一体改悪であることを指摘してまいりました。それが、三党合意の結果、一層あからさまな姿となって浮上してまいりました。
もともと民主党政権が言ってきた最低保障年金は、はるか将来にしか恩恵が出てこないものであり、後期高齢者医療制度の廃止なるものも、看板倒れの中身ですが、それさえも棚上げしました。
最も象徴的なのは、社会保障制度改悪推進法案なる新法の共同提出であります。社会保障の基本理念を改変し、憲法25条を真っ向から否定するものではないでしょうか。こんな悪法を通すための会期延長は、到底認められません。
今厳しく指摘しなければならないことは、自公民三党による議会制民主主義の常軌を逸したじゅうりんが行われている大問題であります。
昨日、自公民三党などによって、原子力規制委員会法、障害者総合支援法の成立が強行されました。極めて重大な法案が、21日が会期末だとして、まともな審議抜きで、三党会談、三党合意のままに、一瀉千里に強行採決されてまいりました。それが終わった途端、民主党政権は、大幅会期延長を突きつけてきたのであります。
社会保障制度改革推進法案が提出されたのは、昨夜21時であり、議員のもとに配付されたのは、けさであります。政府提出、一体改悪諸法修正案は、まだ姿もあらわしておりません。にもかかわらず、三党の密室談合で合意したとして、まともな法案の検討、審議の余地さえないまま、あす採決など、国会の役割を否定する暴挙であります。
会期を本日で閉じ、消費税増税法案、社会保障改革推進法案など一体改悪法案は廃案にすべきであることを強く主張し、会期延長に反対の発言といたします。
○小平委員長 それでは、採決いたします。
会期を6月22日から9月8日まで79日間延長すべきものと議長に答申するに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
○小平委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。
本件は、本日の本会議において議長からお諮りいたします。
なお、本件の採決は、起立採決をもって行います。