税制(庶民増税・徴税), 医療・介護・年金, その他 (消費税, 社会保障・税一体改革)
2012年04月26日 第180回 通常国会 議院運営委員会 【676】 - 発言
消費税増税など狙う一括審議特別委を設置 反対を表明
2012年4月26日、衆院本会議で、消費税増税法案などを審議する「社会保障と税の一体改革に関する特別委員会」の設置を日本共産党と社民党以外の賛成多数で議決しました。
佐々木憲昭議員は、本会議に先立つ議院運営委員会で発言。
この特別委員会設置の目的や内容について、これまでの議院運営委員会理事会でもまともに議論されておらず、「民自公3党で設置を合意したからという理由で全体に押し付けるのはあまりにも強引かつ拙速だ」と批判しました。
与党は11本もの法案を一括して付託しようとしているものの、「野党との合意はなく、どの法案をどのように審議するのか確定していない」と強調。
佐々木議員は、審査案件を明らかにするよう定めた国会法45条に照らしても、設置は認められないと主張しました。
その上で、11本の法案は、税制、社会保障・年金、子育てなど「それぞれ国政上の大問題」であり、「重要広範議案として徹底かつ慎重に審議されなければならない課題ばかりだ。11本もまとめて付託したのでは徹底審議が保証されない」と指摘しました。
佐々木議員は、憲法と国会法は委員会中心主義をとり、各分野の専門委員会で十分な審議を保証することを求めており、この立場から重大な問題があると批判しました。
議事録
○小平委員長 これより会議を開きます。
まず、特別委員会設置の件についてでありますが、社会保障と税の一体改革に関連する諸法案を審査するため委員45人よりなる社会保障と税の一体改革に関する特別委員会の設置についてお諮りいたします。
この際、発言を求められておりますので、これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 社会保障・税特別委員会の設置について発言します。
まず述べておきたいのは、特別委員会設置の目的、内容について、これまでの議運理事会でまともに議論されてこなかったということであります。にもかかわらず、民自公三党で設置を合意したからという理由で全体に押しつけるのは、余りにも強引かつ拙速であります。
一体、この特別委員会で何を審議しようとしているのでしょうか。与党・民主党は11もの法案を一括して付託しようとしていますが、野党との合意はありません。
国会法第45条は、「特に必要があると認めた案件又は常任委員会の所管に属しない特定の案件を審査するため、特別委員会を設けることができる」としております。特別委員会を設置するに当たっては、特定の審査案件を明らかにしなければならないのであります。
今回は、どの法案をどのように審議するのか、いまだに確定しておりません。国会法に照らして、このような状況下で、なぜ特別委員会を設置できるのでしょうか。
しかも、11の法案は、税制、社会保障、年金、子育てなど、それぞれ国政上の大問題であります。長年にわたって激論を闘わせてきた経緯があり、まさに重要広範議案として徹底かつ慎重に審議されなければならない課題ばかりであります。
一つ一つの法案を十分に審議して問題点を明らかにし、国民の意見を豊かに反映することが国会の役割であります。11もまとめて付託したのでは、徹底審議が保障されません。かつて消費税導入等で税制特別委員会が設置された例がありますが、税制と重要政策案件を一括して付託するようなやり方は前代未聞であります。
憲法と国会法は、委員会中心主義をとり、各分野の専門の委員会で十分な審議を保障することを求めております。今回の特別委員会設置は、この立場から見て重大な問題があります。
消費税法案がほかの社会保障法案と関連するといいますが、それなら、連合審査、関係大臣の出席など、幾らでも審議のやり方があるのではありませんか。
以上の理由から、日本共産党は、社会保障・税特別委員会の設置に反対であります。
なお、消費税増税法案をめぐってさまざまな政治取引が報道されておりますが、国会で十分な審議がないまま、特定政党間で密室協議を行って通すようなことは絶対に認められないということもつけ加えておきます。
以上です。
○小平委員長 それでは、社会保障と税の一体改革に関する特別委員会を設置することとし、本日の本会議において議決するに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
○小平委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。
なお、本特別委員会委員の各会派割り当て数は、理事会の協議により、特に、民主党・無所属クラブ27人、自由民主党・無所属の会11人、公明党二人、日本共産党一人、新党きづな一人、社会民主党・市民連合一人、みんなの党一人、国民新党一人とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。