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税制(庶民増税・徴税), 財政(予算・公共事業) (消費税, 大企業減税, 災害支援)

2011年11月24日 第179回 臨時国会 本会議 【644】 - 討論

「復興財源」法案 衆院で可決 「庶民増税押し付け」と批判

 2011年11月24日、衆院本会議で復興財源確保法案などが民主、自民、公明など各党の賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。

 反対討論で佐々木憲昭議員は、民自公3党の修正で見送られたたばこ増税が所得税に上乗せされるため、庶民には25年間で8.1兆円もの増税を押し付け、大企業には17.6兆円もの大減税を行うものだと批判しました。
 「5%引き下げに伴うネット減税分を限度」といって負担増に反対する経団連の言い分を野田内閣は丸のみしたと指摘し、「財界の身勝手をおさえ応分の負担を求めるのが筋だ」と述べました。
 また佐々木議員は、国税通則法改悪により、税務署の権限を強化し、税務調査や徴税事務における納税者の権利を実質的に後退させていると指摘。
 民主党は「納税者権利憲章の制定」を公約していたにもかかわらず、自民党の主張を取り入れ税務署の権限強化にかじを切ったことは許されないと批判しました。
 佐々木議員は、消費税増税について野田首相が国民に信を問う時期は増税法案提出のときではなく増税を実施する前だと言い換えたことについて「すり替えだ」と批判。
 民主党が4年間は消費税を増税せず、引き上げる場合にはマニフェストに明記し総選挙で国民の信を問うとしていたことをあげ、「明白な公約違反だ。消費税増税は、ただちに撤回すべきだ」と強調しました。

議事録

○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等一部改正案、復興財源確保法案及びそれぞれの修正案に反対する立場から討論を行います。(拍手)
 政府は、復興財源を確保するため、連帯して負担を分かち合うと述べましたが、本会議及び財務金融委員会の質疑の中で、それが全く成り立たないことが明らかとなりました。
 民主、自民、公明の三党合意に基づく修正案によれば、見送られたたばこ増税の分が所得税の増税に上乗せされ、25年間で庶民に8・1兆円もの増税を押しつけるものとなっております。その一方、法人税については5%の恒久減税を実行することとしております。そのため、25年の累計では20兆円の減税となり、3年間だけ2・4兆円の付加税を課すとしても、大企業には17・6兆円もの大減税となるのであります。
 庶民には約8兆円の増税、大企業には約18兆円の減税であります。これでどうして負担を分かち合うことになるのでしょうか。
 リーマン・ショック後の景気後退の時期に次々と内部留保を積み上げる大企業に、これほど大規模な恒久減税を行う必要はありません。野田内閣のやり方では、復興財源を確保するどころか、法人税減税のためにさらに大規模な赤字国債の発行を行わざるを得なくなり、財政破綻を一層深刻なものにするのであります。
 なぜ、こんなことをするのでしょうか。財界の言い分を丸のみしたからではありませんか。
 日本経団連が9月に発表した平成24年度税制改正に関する提言によりますと、負担増を行うのであれば、法人実効税率5%引き下げに伴うネット減税分を限度として付加税を時限的に課すか、施行を一定期間おくらせる方式をとるべき、いずれも3年以内と書いております。
 庶民に増税を押しつけながら、自分には減税しろというのは、余りにも虫のいい話であります。野田内閣はそれを忠実に実行しているだけではありませんか。国民の立場に立った政治であれば、財界の身勝手を抑え、応分の負担を求めるのが筋であります。
 次に重大なのは、国税通則法の改悪が盛り込まれたことであります。
 国税法案とその修正案では、税務署の権限を強化し、税務調査や徴税事務における納税者の権利を実質的に後退させております。とりわけ、修正案では、原案に盛り込まれていた納税者権利憲章の制定が、目的規定とともに削除されてしまいました。さらに、任意調査を行う場合、文書によって事前通知を行うという規定も削除されました。許しがたい後退であります。法案では、帳簿、資料の任意提出に罰則規定を盛り込むなど、重大な内容も明らかとなりました。
 民主党は、国税当局に対し著しく立場の弱い納税者の権利を保護するため、納税者権利憲章の制定を公約していたのではありませんか。にもかかわらず、三党協議で自民党の主張を受け入れ、提案していた法案を一層改悪し、税務署の権限強化へとかじを切ったのであります。到底認めるわけにはいきません。
 消費税増税についても重大な問題が浮き上がりました。
 もともと民主党は、政権を担当する4年間は消費税は上げない、仮に引き上げる場合には、消費税増税をマニフェストに書いて、総選挙で国民の信を問うと約束していたのであります。
 ところが、総理は、信を問うのは、増税法案を提出するときではない、法案を通した上で消費税増税を実施する前だと言いかえたのであります。そんな言い方は、民主党のマニフェストにも、総選挙のときの党幹部の発言のどこにもありません。完全に、すりかえであります。
 国民に信を問うことなしに消費税増税法案を国会で通すというのは、明白な公約違反であり、直ちに消費税増税を撤回すべきであります。
 日本共産党は、消費税増税に絶対に反対だということを強調して、討論を終わります。(拍手)

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