税制(庶民増税・徴税) (強権的徴税, 児童扶養手当・子ども手当)
2011年10月26日 第179回 臨時国会 財務金融委員会 【634】 - 質問
被災地で子ども手当を差押えやめよ 「実情を把握し対応」と答弁
2011年10月26日、財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、子ども手当の支給直後に自治体が滞納整理と称して差し押さえている問題を取り上げました。
佐々木議員は、「生活が成り立たないような差押えは、絶対にしてはならない」と求めました。
福田昭夫総務政務官は「個人の実情を調査したうえで対応するよう指導したい」と答えました。
佐々木議員は、子ども手当は、特別措置法が求める「受給権の保護」により、差押えが禁止されていることを確認。
ところが、福島県郡山市では、被災し職を失ったシングルマザーが、銀行口座残高が43円しかなかったにもかかわらず、国保税の滞納を理由に、子ども手当が振り込まれた直後に差し押さえられました。
佐々木議員は、預金通帳や差押え通知書を示し「振り込まれた途端にひき出している。狙い打ちしたのは明らかだ。相手の事情を調べもしないで、このようなことをやること自体が問題だ」と批判しました。
安住淳財務大臣は「振り込みを持って、狙い打ち的に差し押さえるのは差し控えるべきだ」とし、この事例について「狙い打ちに当たるのではないか」と述べました。
佐々木議員は、民主党政権になって、不当な差し押さえが、雇用保険のない失業者に支給される訓練・生活支援給付金などにも広がっていることを示し、低所得者などの生活を無視したやり方は許されないと指摘しました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
安住大臣とはこれから復興財源の問題あるいは消費税増税の問題など非常に重要な課題について何度も議論をしなければならない、こう思っておりますが、きょうは、所信質疑ということでありますので、被災者の生活問題、税の集め方、こういう問題についてただしたいと思います。
まず確認ですけれども、昨日、就任あいさつで安住大臣は、最大かつ最優先の課題は東日本大震災からの復旧復興です、こう述べました。
私は、その場合、被災者の生活を再建する、それから中小業者、農漁業、いわゆるなりわいを再建する、これが基本だと思うんですね。
財務大臣はどういう姿勢で取り組もうとしておられるか、まず基本的な考えをお聞かせいただきたいと思います。
○安住財務大臣 やはり、できるだけ3月11日の大震災の前、あの地震がない、普通の生活にできるだけ戻っていただく、経済活動も個人個人の生活も。
残念ながら、本当に何万という方が亡くなって、その人的な損害を取り戻すことはできません。ですから、身内を亡くしたり、そういう喪失感を我々がぬぐい去るなんということはとてもできるわけではないんですね。
ただ、地域社会のコミュニティーや、道路、橋、港湾等の例えばインフラ、それから人々の暮らし、こうしたものをあの理不尽な災害の前にできるだけ、100%戻すのはなかなか大変なことではございますけれども、戻すために、やはり政治というのは努力をしなければならないというふうな基本的な立場でございます。
○佐々木(憲)委員 そこで、被災者に対して国が支給するさまざまな手当というものがあります。被災者の生活支援のための支給もありますし、年金ですとか子ども手当、あるいは生活保護、こういう現金の支給というものもあるわけです。
一番大事なことは、支給された金額がきちっと当事者に渡るということがまず必要でありますし、それから、その目的どおりに使われるということが必要だと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○安住財務大臣 国民の税金を使って政策的にそうした子ども手当、生活保護、年金等というのは設けられた仕組みでございますので、それに沿うお金の使い方というものは、理想的には、ぜひしていただきたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 そこで、具体的にお聞きします。
例えば子ども手当は、平成23年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法、この法律の第14条、受給権の保護で、差し押さえが禁止というふうにされております。
なぜ法律で差し押さえを禁止しているのか、その理由を厚労省から説明していただきたいと思います。
○石井政府参考人(厚生労働省大臣官房審議官) お答え申し上げます。
子ども手当の受給権は、児童手当も同じだったわけでございますけれども、他の社会保障給付と同様に、一身専属的な権利でございますことから、子ども手当特別措置法第14条により、受給権の譲渡、担保の提供、差し押さえが禁止されているものでございます。
○佐々木(憲)委員 私はこれまで、この財務金融委員会で何度も取り上げてきましたけれども、地方自治体の滞納整理の実態を見ますと、児童手当あるいは子ども手当、これが銀行口座に振り込まれる、その直後に差し押さえが行われるということが少なくないわけです。この点について歴代の財務大臣に対して私は質問をしましたが、入金直後の差し押さえということについては問題があるという答弁がこれまでもありました。
配付資料を見ていただければわかりますけれども、一枚目ですね。例えば、2009年4月17日の財務金融委員会で、与謝野財務大臣はこう答弁しているんですね。「児童手当とか児童福祉法で出すお金が具体的に子供たちの養育に使われるように、その目的が達成されることを主眼に置いた規定であって、権利の差し押さえはいけないけれども、具体的に支給されたものが実際使用できなくなるような状況にすることもまた禁止されているというふうに解釈することが正しいと私は思います。」と。
つまり、子ども手当が支給されたとき、その支給されたものが実際に使用できなくなる、その目的どおりに使えなくなる、こういうことをやってはならないということなんです。
子ども手当を支給した途端に、それをほかの理由で、この人は税金を滞納しているからぱかっと取っちゃう、差し押さえる、そういうことをやってはならないよというのがその基本的な考え方であります。
安住財務大臣も同じ考えかどうかを確認したいと思います。
○安住財務大臣 与謝野大臣と同じ考えでございます。
○佐々木(憲)委員 これは、きょう、総務大臣政務官、お見えですけれども、同じ考えかどうか、確認をしたいと思います。
○福田総務大臣政務官 お答えをさせていただきます。
これは、佐々木先生御承知のとおりでございますが、税については、負担の公平の観点から、必ず納めていただくのが原則だと思っています。しかし、滞納者やその家族の最低限度の生活の保障等の社会的配慮から、法律で一定の財産について差し押さえを禁止しているところだと思います。
法律上、児童手当を受ける権利については、児童手当法に基づき差し押さえが禁止されておりますが、同手当が銀行口座に振り込まれた後は、その性格は預金に変化をし、差し押さえは禁じられていないものと認識をいたしております。
滞納処分の実施に当たっては、滞納者の個別的、具体的な実情を踏まえ、滞納者の生活を著しく窮迫させるおそれがあるときなどにおいてはその執行を停止させることができるとされており、地方団体の税務当局の判断に基づき、適正に対応されるべきものと考えているところでございます。
以上でございます。
○佐々木(憲)委員 2003年5月28日の東京地裁の判決というのがありまして、これは年金の場合ですけれども、当該預貯金の原資が年金である、そういう識別、特定が可能である場合は、当該債権差し押さえは違法であるから、その取り立てた全額を債務者に返還すべき、こういう内容が確定しております。この判決は御存じですか。
○福田総務大臣政務官 御指摘の判決があることは承知をいたしております。
○佐々木(憲)委員 具体的に言いますと、例えば、銀行口座の残高が50円しかない、そこに子ども手当が振り込まれる。ほかに差し押さえるべき財産がない。その銀行口座に子ども手当が1万3千円振り込まれて、残高が1万3050円、合わせてそうなった。この場合は、原資1万3千円が子ども手当だという、そういう識別、特定、これはどこから見てもはっきりしていると思いますけれども、政務官、どうですか。
○福田総務大臣政務官 多分、振り込まれたときまでは子ども手当なり児童手当なんだと思いますが、振り込まれた後は個人の預金ということになりますので、そこで考え方が違ってくる、そのように思っております。
○佐々木(憲)委員 いや、原資が特定できるということを聞いているわけです。特定できますよね、これは当然。
○福田総務大臣政務官 はい。原資はもちろん特定できるものと考えております。
○佐々木(憲)委員 ですから、判決は、原資が特定できる場合は、その差し押さえは違法である、つまり、差し押さえ禁止財産、そういうふうに認定をされて、それはもとに返さなければならない、そういう判決だということであります。
差し押さえ禁止規定のある子ども手当、児童手当、児童扶養手当などが銀行口座に入金された直後に、それをねらい撃ち的に差し押さえられると、受給者がそのお金を目的どおりに使えないということになるわけです。与謝野大臣が答弁したように、具体的に支給されたものが実際に使用できなくなるような状態にしてはならない、こういうことです。
もう一つ答弁を引用しますと、この一枚目の下の方にありますけれども、菅財務大臣のときに、「滞納者個々の実情に即して相当性があるかどうかを判断する必要がある」と。「例えば、預金残高のない口座に児童手当が振り込まれるのを待って、これをねらい撃ち的に差し押さえるようなことは、差し控えるべきと考えております。」下の方を見ますと、「実質上、ほとんど残高のない口座に振り込まれたものまで、まさにねらい撃ち的に差し押さえるというのは法の趣旨に反する、」こういうふうに言っているわけです。
福田政務官、後ろのいろいろな文書はもういいから。つまり、菅大臣の答弁は、ほとんど、預金口座に50円とか40円しかない、そこに子ども手当が振り込まれる、原資は子ども手当であるということは明確である、そういうものをターゲットにして差し押さえるというのは法の趣旨に反する、この大臣答弁、同じ考えなのかどうか、はっきりさせていただきたい。
○福田総務大臣政務官 最高裁の判決もございまして、判決にはいろいろ、地裁の判決などあるようでありますが、平成10年の2月10日の最高裁判決によりますと、国民年金、厚生年金、労災保険の給付は、銀行口座に振り込まれた時点で金融機関に対する預金債権に転化し、受給者の一般財産となり、差し押さえ禁止債権としての属性は承継しない、こういう判決がございまして、私も気持ちはよくわかりますけれども、しかし、この最高裁の判決などを考えますと、なかなか難しい問題かな、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 いや、私が質問したのは、与謝野大臣の答弁、基本的にはそうだと言ったでしょう。先ほど紹介した菅大臣の答弁、この考え方があなたの考え方と同じかどうかと聞いているんですよ。いや、裁判の評価というのは別だ。今ここで答弁をされたわけです、財務金融委員会で。同じ政権の一員として同じ考えなのかどうか、そこを確認しているわけです。
○福田総務大臣政務官 気持ちは同じ気持ちでございますが、しかし、考え方がそのとおりいくというふうにはいかないと思っております。
○佐々木(憲)委員 気持ちというのは何ですか。菅大臣と同じ気持ちだということですか。
○福田総務大臣政務官 ぴったりイコールというわけにはいかない、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 菅大臣の答弁などを見ても、ほとんど預金の残高のない、そこに子ども手当が入る、子ども手当は差し押さえ禁止財産である、こういう法律がある、そういうものをターゲットにして、入った途端に差し押さえるというのは控えなければならないと。
安住大臣、同じですか。どういう考えですか。
○安住財務大臣 個々の事例についてコメントする立場にはないので差し控えますけれども、少なくとも、国税の滞納整理に当たっては、滞納者個々の実情に即して、法令に基づいてきちっと対応する、またそういうふうにやっていると承知はしております。
例えば、残高のない預金口座への子ども手当の振り込みを待って、これをねらい撃ち的に差し押さえることは差し控えるべきであるというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 民主党政権になって、各自治体で、今のねらい撃ちとしか思えないような差し押さえというのはふえているわけです。
一つの事例を言いますと、例えば、私の事務所に、東日本大震災で被災した福島県郡山市の母子家庭のお母さんからの訴えが来ました。この方を仮にAさんといたしますと、この方は、ことしの5月に女の子を出産したわけです。現在、シングルマザーであります。
震災前には、自分が働いていた会社、その会社の社長から、出産後は赤ちゃんと一緒に住み込みで働いてもらっていいですよ、こう親切に言われていたわけですが、残念ながら、震災のため会社が操業できなくなって、働く場を失ったわけです。子供を預けて働こうとしても、公立の保育園にはあきがない。私立の保育園は月5万円を超えるため、とても利用できない。子ども手当が入金したら、滞納している軽自動車税を納付して、子供の服を買おう、こう思っていた。
Aさんは、子ども手当が支給された10月7日、朝9時ごろ、銀行のATMで引き落とそうとしましたら、市が国民健康保険税の滞納整理ということで5万2043円全部差し押さえたということがわかって愕然とした。
資料を見ていただきたいと思います。この三枚目の資料、この方の了解を得てここに配付をさせていただいておりますが、上段と下段があります。上段の方を見ていただきますと、その一番下のところに、10月7日、「コオリヤマシコドモテアテ」、こう書いていますね。5万2千円。その前のところを見ますと、残金43円です。合わせて5万2043円。これが、振り込まれた途端、10月7日、5万2043円全部ごっそり差し押さえる、残高ゼロ。こういうことが現に行われているわけであります。
次のページを見ていただきたいんです。これは税務署の側の、郡山市の税当局であります。差押調書というのがありまして、「下記の債権を差し押さえます。」と。日付はどうですか。前の日ですよ、10月6日。つまり、10月7日に子ども手当が振り込まれることを事前に情報を得て、振り込まれた途端に引き出している。これはねらい撃ちにしたことは明らかであります。
安住大臣、被災地でこんなことが起こっていいんでしょうか。生活実態の調査も全然していないんです。いきなり、次の日の朝入る、それをねらい撃ちして取ってやろう、これはおかしいんじゃありませんか。どういうふうに思いますか。
○安住財務大臣 個別の事案についてコメントする立場にはございません。特に地方税にかかわることでございますので、事実関係を私自身が一言で言うと裏をとって話しているわけではございませんが、先生の資料だけを見ますと、ましてこの方がもしほかに預金や財産を所有していないとなれば、先ほど私が申し上げた、また与謝野大臣や菅大臣が申し上げた事例で言えば、これはちょっと、ねらい撃ちに当てはまるのではないかなという気がしております。
○佐々木(憲)委員 このほかにも、大分県佐伯市の30代の方は、同じ10月7日に子ども手当が入金しましたけれども、地方税、これは国民健康保険料でありますが、滞納しているという理由で、その日のうちに差し押さえられております。残金数百円、その口座に子ども手当が入ったら、ねらって差し押さえられた、こういう訴えです。
東京都練馬区の40代女性の方は、子ども手当、障害者の育成手当が振り込まれた。この直後、国保の滞納があるということで差し押さえられました。どんな手当であっても口座に入金されたら預貯金とみなしますと言われた、今月の生活ができないですと。
これは、子ども手当だけではありません。
昨年の10月には、大分県宇佐市で、国が支給した訓練・生活支援給付金というのがあるんです。それが振り込まれた直後に、国保税の滞納だというので、その整理で差し押さえられる。
この訓練・生活支援給付金というのは何かというと、雇用保険を受給できない人々、例えば非正規の離職者、長期失業者、もう雇用保険が給付できなくなる、そういう人に対してセーフティーネットとして国が職業訓練期間中に生活給付ということで一定金額を支給するものなんです。これには要件があって、財産も収入もない人ですよ。生活するに十分でないということを認定して、その上で無職の方に支援する、そういう資金なんですよ。これがなければ生きていけないというものですよ。それをいきなり、入金したら差し押さえた。これは余りにもひどい。
こうした差し押さえで共通しているのは、実態調査もしていないというのが一つです。まず相手の実情を調査しなければならぬのです。これは原則なんです。菅財務大臣のときの答弁は、まず相手の状況をよく調査しなきゃならぬ、それをしていないのは問題だ、こう言っています。
それから、所得が非常に低い方、年200万円にも満たない家庭の方や母子家庭のなけなしの収入を差し押さえているということなんです。
安住大臣、民主党の政権公約というのは生活が第一だということではなかったんでしょうか。子ども手当、訓練・生活支援給付金というのは、まさに、所得の低い方とか無職で生活に非常に困っている、そういう人たちにとって大変大事なものであります。そういう人たちに給付する、生活を支えるというものじゃなかったんでしょうか。
○安住財務大臣 子ども手当については、やはり社会全体で子供を育てていこう、これは日本の財産ですから、特に少子高齢化時代においては、子宝といいますか、これはもう非常に人材としても有為に育てていく、それから、やはり産み育てる環境をちゃんとつくっていこうということでスタートをしました。
そのほかに、年金や生活保護の問題というのは、受給要件をちゃんと満たしているということを前提にして考えれば、やはり生活を保障するものでなければならないというふうに思います。
滞納の問題というのは、やはり滞納しておられる方にも何らかの問題があるということは、先生多分御存じだと思います。ですから、率直に言って不正もかなりありますから、そういう意味では、個人個人の事情をきちっととらまえて、そしてその上で、先ほどから申し上げているように、何かそれをねらい撃ちして、それが直ちに生活に直結をして暮らしが成り行かなくなるとか、そういうことは避けるべきだというのが、それぞれの受給に根拠を置いた法律には規定をされていますので、それを守りながら適正な徴税というものをしていかなければならないというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 福田政務官に確認しますが、渡辺副大臣に同じように聞いたことがあるんです、この前のときに。そうしたら、「一回口座に入ったというものは本人の財産ということになるわけでございますけれども、」「個々の事情があって、差し押さえられたら生きていけない、本当に食事もとることができないという、まさに非人道的な扱いをするようなことは絶対にあってはならない。」こういうふうに答弁されました。福田政務官も同じ気持ちですか。
○福田総務大臣政務官 佐々木先生がおっしゃるようなことは、そのとおりだと私も思います。しかし、先ほど安住大臣からも話がありましたように、個々の事情はいろいろ違うと思いますので、その辺はよく実態がわからないとコメントできないというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 相手の状況を調査もせずやっているから問題なんですよ。調査した上で言うならわかりますよ。ああ、この人はほかに財産がある、ならいいだろうと。そういう調査もせず、一律に、相手の状況を考えずに、入ったらばあっと押さえているんですよ。ある市では50件、ある市では百件、そういうやり方で、入ったらいきなり押さえる。引き出そうとしたら、もう残金ゼロ。何が相手の状況ですか。そんなことを何も調べもしないでやること自体が問題なんだ。調べもしないでそんなことはやらない、調べた上でしかできないと。
どうなんですか。そういう相手の実情を全く無視してやっていい、そういうことが言えますか。
○福田総務大臣政務官 調べないでやってもいいとは私も申し上げませんが、自治体の場合は多分ずっと長くその人を見ていると思いますので、そういった意味で、きっと総合的な観点からだったと思います。
○佐々木(憲)委員 長く見ていれば問題はないです。職員がたった三人しかいないけれども、差し押さえ300件やっちゃうんだ。そういう税当局で、一体何が、相手の実情がわかるんですか。全くなってない。
確認したいんだけれども、総務省は、手当が支給された直後に差し押さえた件数、全国で何件あるか把握していますか。
○福田総務大臣政務官 平成21年度において都道府県が地方税の滞納で差し押さえをした件数は、20万8383件でございます。
○佐々木(憲)委員 私が聞いたのは、そのうち手当が支給された直後にそれを差し押さえたのは何件あるかと聞いたんです。
○福田総務大臣政務官 申しわけありませんが、これだけありますと、そうした事例については調査をいたしておりません。
○佐々木(憲)委員 相手の状況をよく調査して、生活が成り立たないような、そういう差し押さえは絶対にしてはならない、そういう趣旨を、差し押さえ禁止、そういう財産については差し押さえてはならない、このことを徹底するということで、確認をしたいと思います。
○福田総務大臣政務官 そういう意味では、よく個人の事情を調査した上で対応するようにというような指導をしたいと思います。
○佐々木(憲)委員 調査が前提である、必ず調査をするということであります。
厚労省に一つ確認だけしておきますが、子ども手当を受け取る場合、受け取る方法は何か規定があるんでしょうか。例えば銀行口座に必ず入れなきゃならぬとか、そういう受け取る方法の規定があれば教えていただきたいと思います。
○石井政府参考人(厚生労働省大臣官房審議官) お答え申し上げます。
子ども手当特別措置法においては、児童手当法や平成22年度子ども手当支給法と同様、具体的な手当の支払い方法は定めておりません。
支払い方法につきましては、その地方自治体の判断で口座振替による支払いをお願いするとしても、これは受給権者から申し出が必要となっておりまして、受給権者が口座振替を希望しない場合は窓口払いということになります。
○佐々木(憲)委員 例えば、受け取る側が、私はもう口座では受け取りたくないので窓口へ行って受け取りますと。これは当然認められるということですね、福田政務官。
○福田総務大臣政務官 おっしゃられるとおりだと思います。
○佐々木(憲)委員 いずれにしましても、今、私、取り上げてまいりましたけれども、国の方でそういう事例を私は聞いていないんです。自治体が多いんです。
これは、やはり基本的な考え方として、支給されたものがその目的のために使われる、それが大事なことであって、それを差し押さえて、その目的に使えないということはやってはならない。これはもう基本原則ですよ。それを逸脱して、今言ったようなさまざまな事例が起きている。それを是正するのが本来の総務省の役割だということを最後に述べて、質問を終わりたいと思います。
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- 【配付資料】(pdf)