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財政(予算・公共事業), 医療・介護・年金 (消費税)

2011年07月12日 第177回 通常国会 財務金融委員会 【618】 - 質問

「社会保障・税一体改革」案を批判 消費税増税は公約違反

 2011年7月12日、財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、政府・与党が6月30日に決定した「社会保障・税一体改革成案」で示された消費税増税案について質問しました。

 政府案は、社会保障の安定財源と称して、2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げることを明記しました。
 そのため、2012年3月末までに消費税増税法案を成立させることを狙っています。
 佐々木議員は、民主党が消費税率を引き上げるばあいには、「総選挙で国民の審判を受ける」とこれまで繰り返し発言してきたことを示し、「公約からの逸脱だ」と指摘しました。
 野田佳彦財務大臣は「(増税の)実施時期をどうするかは、これから決めることであり、(増税)実施前に国民に信を問うことと整合性はとれる」と答弁しました。
 佐々木議員は、それは「問題のすりかえだ。法案を出す前に国民の信を問うのがスジだ」と批判しました。
 また、消費税増税が、農林水産業や中小零細企業の多い被災地の大きな負担になり、「復興の妨げになる」と指摘しました。
 そのうえで、民主党が「政策集インデックス2009」で「(消費税の)逆進性対策のため、将来的には『給付付き消費税税額控除』を導入する」と明言していたことに言及しました。
 野田財務大臣は「具体化はこれから考える」と答弁しました。
 佐々木議員は、公約を踏みにじったうえ、逆進性対策もないまま消費税増税を強行するなど許されないと強調しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 社会保障・税一体改革について質問をしたいと思います。
 政府・与党は、6月30日に社会保障・税一体改革成案を決めました。消費税をめぐりましていろいろな激論があったと伝わっておりますが、消費税についてはどのような結果になったか、これを説明していただきたいと思います。
○野田財務大臣 社会保障・税一体改革の成案において、重立ったこと四点、消費税の扱いについて申し上げたいと思います。
 第一は、社会保障給付に要する公費負担の費用は、消費税収を主要な財源として確保するということ。二つ目は、消費税収については、このうち国分が現在、予算総則上、高齢者三経費に充当されておりますけれども、今後は、高齢者三経費を基本としつつ、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用に充当する分野を拡充するということ。三点目は、区分経理を徹底するなど、消費税収の使途を明確化すること。四点目は、2010年代半ばまでに段階的に消費税率、国、地方を10%まで引き上げる。この四点が主たる内容だというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 我々の立場を言いますと、消費税の増税には反対でありまして、財源はほかにあるというふうに考えております。
 そこで、これは政府・与党の現段階における基本的な考え方、これを野党に協議を呼びかけるというふうに聞いておりますけれども、そういう考え方なんでしょうか。
○野田財務大臣 これは6月30日の、いわゆる社会保障・税一体改革成案について、政府・与党社会保障改革検討本部において成案として決定をさせていただきました。この成案をもって各党にお呼びかけをさせていただき、協議を経て、その上で具体的な制度設計の話もさせていただきたいというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、政府・与党の基本的な共通の考え方であると。
 当然、与党には国民新党も入っておりますので、自見大臣にお聞きしますけれども、国民新党は2009年政権政策で、「消費税は上げず、全額、社会保障のための目的税とします。」こう書いていました。消費税は上げない、これが前回の総選挙の政策だったわけです。
 国民新党としては、今回の社会保障・税一体改革の議論にどのような形で参加をされたのか、その中でどのような主張をされたのか、明らかにしていただきたい。
○自見金融担当大臣 佐々木憲昭議員にお答えをいたします。
 平成23年の6月30日に、政府・与党社会保障検討本部において、今御指摘のように、社会保障・税一体改革成案が本部決定され、翌日、7月1日に閣議報告されたところでございます。
 この政府・与党社会保障改革検討会議には、政党のことでございますが、国民新党からは下地幹郎幹事長、亀井亜紀子政調会長が出席をいたしておりまして、そして、今、統一会派を組んでおります新党日本の代表の田中康夫さんも出席をさせていただいております。
 今、佐々木議員のお答えのとおり、平成21年の政権交代をした選挙でございますが、8月30日、選挙でございましたが、その前の8月十数日、もう本当に公示の一週間ぐらい前に、実は民主党と社民党と国民新党、当時、私は国民新党の政調会長でございましたが、大変苦労をして、三党の共通項目、衆議院選挙に臨む三党の共通公約を出させていただきまして、その中にも、もし選挙において勝たせていただいて、政権を担当させていただくことになっても、消費税の税率は、引き上げは行わないということを公約して、選挙をさせていただいたわけでございます。
 また、おかげさまで選挙を勝たせていただいた、いわゆる9月の三党合意でも、これは、今回の選挙において負託された政権担当期間中においては消費税の税率引き上げは行わないということ等を、国民新党初め民主党、社民党と合意をして、それぞれの機関決定をして、三党首が署名をしたわけでございます。
 そういったことを踏まえて、国民新党としては、閣議決定することは賛成できないという旨をはっきり政府・与党社会保障改革検討本部で主張させていただいて、結果として、連立内閣でございますから、閣議報告ということになったものだというふうに私は認識しております。
 しかしながら、消費税の引き上げについて論議をすること自体は反対しているものではなく、今回の成案については、政府・与党が精力的な論議の結果として一つの案が報告されたという位置づけであるというふうには認識をいたしております。
○佐々木(憲)委員 賛成できない、こういう態度をとっていたと。ということは、閣議決定しないというのは、自見さんが閣内に入っているから閣議決定をしない、こういうことだったんでしょうか。
○自見金融担当大臣 政府・与党社会保障改革検討本部においても、現場においても、我が党の幹事長、政調会長が反対をいたしましたし、また、亀井静香さんが今党首でございますから、党首会談でもそこをきちっと菅党首と話をされたということは仄聞をいたしております。
○佐々木(憲)委員 野田大臣にお聞きしますけれども、これは政府・与党の成案である、つまり共通の考え方である、そういうふうにおっしゃいましたけれども、そうではないんですね。
○野田財務大臣 政府・与党社会保障検討本部で、国民新党の代表の幹事長や政調会長から御意見がございました。その中で、この案を成案としてこの場所でまとめるということと、それをもって各党に協議を呼びかけることについての御理解はいただきました。
 したがって、先ほど自見大臣がおっしゃったとおり、閣議決定ではございませんが、閣議で報告をさせていただき、その際も、各党各会派に改革のための協議を提案し、参加を呼びかけることについては了解を得ているということでございます。
○佐々木(憲)委員 そうすると、これは政府の考え方ではない、現段階で。つまり、成案は得たけれども、成案を得てこれから各党の協議に入る、各党といいますか、野党に対して呼びかける。しかし、閣議決定はしない。つまり、政府の成案ではない、こういう理解ですね、よろしいですね。
○野田財務大臣 政府・与党で取りまとめた成案であります。各党に呼びかけた上で、そして協議が調ったときに閣議決定というプロセスをとりますけれども、認識としては、政府・与党の社会保障検討本部において決定した成案という位置づけになっています。
○佐々木(憲)委員 国民新党は、消費税増税には反対であるという姿勢は、公約でもあり、かつ、今回もそれを貫かれたわけであります。閣議決定をされるときには当然その閣議決定に反対をする、こういうことにならざるを得ないと思うんですが、自見大臣はどうなんでしょう。
○自見金融担当大臣 佐々木先生、お互いに政治家でございますから、やはり我が党は我が党で、掲げた公約と平成21年の9月に三党合意したということはきちっと尊重したいと思っております。
 ただし、一応、官房長官がこれを成案とするというふうに政府・与党社会保障改革検討本部では宣言されたらしいんですけれども、閣議ではこれはあくまで報告にとどめておくということでございまして、私も、閣僚懇で、国民新党、あるいは、政治というのはやはりいつも変わっていくものでございますから、変革していくものですから、私もそれがわからないことはないんです。まあ、しかし、きちっと立場は立場である、国民は国民に公約したことがございますから、そういった意味で、わざわざ閣議報告事項にしたということ、きちっと国民新党の主張を御理解していただいて御配慮いただいたことをありがたいということは、私は政治家としてきちっと発言はしておきました。
○佐々木(憲)委員 この委員会でも、私は、亀井代表が金融担当大臣のときにこの問題を質問しまして、非常に、民主党とは全く違う態度をとられたなというふうに思っております。亀井さんは、消費税を上げること自体に反対であると。しかし、民主党の大臣は、この期間、つまり4年間は上げない、政権担当期間は上げない、その後は上げる可能性は十分ある、こういう話をされていました。
 そういう意味で、国民新党の態度は私は非常に納得できますし、しっかり貫いていただきたいというふうに思うんです。私どもも消費税については上げることには反対でありまして、これは野党の中でも随分立場は、それぞれ違うと思います。政党によって違うわけですから、それは当然、政党の立場を貫くというのが基本だと思っております。
 さて、そこで次に、2010年代半ば、先ほども少し議論がありましたけれども、これは、2014年、2015年、2016年、この3年間を含む期間、これを2010年代半ばというふうに理解をいたしました、先ほどの答弁を聞いておりまして。そうすると、早ければ2014年までに10%に引き上げる、遅くとも16年までに10%に引き上げる、それまでに段階的に10%にしていく、こういうわけであります。
 そうすると、どんなやり方になるのか。例えば2014年までに10%にするというなら、2013年に2%、14年に3%上げる、合わせて10%、そういうふうになることも考えられますし、15年までに10%にするというなら、13年に1%、14年2%、15年2%、こんなやり方もある。
 いろいろなやり方、組み合わせがあると思うんですが、野田大臣はどのような引き上げ方を考えているのか。段階的引き上げを実施するその判断基準、これはどういうものなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○野田財務大臣 引き上げの幅とか時期とかの具体的なお尋ねであります。
 この成案においては、「平成21年度税制改正法附則104条に示された道筋に従って平成23年度中に必要な法制上の措置を講じる。」とされておりますので、このスケジュール感の中で、今御指摘のあった引き上げの幅であるとか時期について、その具体的な検討を今後させていただくということでございますので、現時点で何かのイメージを持っているわけではございません。
 ただし、この引き上げの際には、今回の成案の中にも書いてあるとおり、経済の好転とか、いろいろ条件等がございます。そういうことを勘案しながらの具体的な検討になるというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 その影響ですけれども、東日本大震災の被災地の方々にもこの消費税はかかってくるわけであります。この地域は、農林水産業、零細企業も大変多い、その担い手は高齢者が多い、そういう地域でございます。
 被災地域を調べてみますと、被災三県の沿岸地域で、市町村ですね、60歳以上の方々が占める比率が非常に高いんです。岩手で35・2%が60歳以上です。宮城県では25・8%、福島県で28・3%。市町村別に見ますと、一番高齢者が多いのは岩泉町で41%、釜石が39%、陸前高田が38%。人口の大体4割が60歳以上なんです。これは大変高齢化が進んでいるんですね。
 そういう地域でこれから復興を図っていこうというときに、零細企業、高齢者、農林漁業の皆さんに消費税を負担させる。今でも大変なのに、10%の消費税、こうなりますと大変な負担になる。消費税の引き上げというのは、そういう意味では復興の妨げになると我々は思いますが、大臣はどうお考えでしょうか。
○野田財務大臣 この成案の中で、税制抜本改革は経済の好転を条件として実施することということになっていますけれども、経済の好転、この中身でありますが、「震災の影響等からの景気回復過程の状況、国際経済の動向等を見極め、総合的に判断する」、そういう意味合いだというふうに理解をしています。
 政府としては、大震災がもたらした制約を順次確実に克服するとともに、日本経済の潜在的な成長力を回復するよう全力で取り組んでいくというふうに今決意をしているところでありますけれども、そうした総力を挙げて復興対策に取り組むとともに、一体改革、この国民の安心確保というその両立を図っていく、両方をしっかりと対応するということになると思います。
○佐々木(憲)委員 被災地のことを考えてと言うけれども、もう時期ははっきり決めたわけですよね。2010年代半ばというふうに決めたわけですから、それまでには必ず10%にするわけですよ。
 被災地を除くなんていう話は成案の中にはありませんし、そういう方々にすべて負担を負わせるということになるわけで、被災地にとって、復興にとってこれはマイナスに作用する、これはお認めになりますか。
○野田財務大臣 被災地に例えば消費税を課税しないということは、技術的にはちょっと難しいと思うんですね。だとすると、やはりオール・ジャパン、全国一律に消費税率を上げるときは上げるという対応になると思います。でも、そのお金は社会保障給付にかかわることであって、被災地の皆さんも含めて社会保障を充実強化させていくということで、その恩恵は一緒に出てくるということでございます。
 あわせて、被災地の対策は、そのほかの復興対策も含めて総合的に判断をしていかなければいけないものと思います。
○佐々木(憲)委員 被災地はゼロからの出発ができない、マイナスからの出発という状況にありながら10%の税率を押しつけられる、これはもう明らかにマイナスなんですよ。そういう点を無視してこの増税を決めるというのは、私は到底認められない。
 政府の家計調査を見ましても、この10年間、平均夫婦高齢者世帯の年金給付が大幅に減っておりまして、年金の収入が減ったために年に23万円の減少であります。その反面、保健医療、介護保険、所得税、住民税、この負担は大きくふえておりまして、10年間で年間10万円負担がふえているんです。したがって、貯蓄を取り崩して生活しているけれども、貯蓄も底をつくような状態になっている。
 被災地にこれ以上消費税を増税したら生活できない、悲鳴が上がるというのが実態だと思うんです。この点は、財務大臣、よく認識をしていただきたいと思います。
 次に、附則104条の問題です。
 2012年3月末まで、つまり来年の3月までに消費税増税法案を成立させる、こういうことが規定されております。これはそのまま堅持すると。
 そうすると、私は、この規定自体は民主党の政策からいっても公約と矛盾すると思っておりまして、最初にこの問題を質問したとき、藤井裕久財務大臣は、これは修正するのが筋である、2012年3月末というのは、これは公約と矛盾するので修正するのが筋だ、こういう答弁をされていたんです。ところが、その後、いや、それはもう修正の必要がない、こういうことで、来年3月までには消費税増税法案を通すんだ、このとおりやるんだというのが、これは、野田財務大臣はそういう立場でやっておられる。
 これは政権の中で大変矛盾した、あるいは方針の転換が行われたというふうに我々は見ておりますけれども、悪い方向に変わったと思っておりますけれども、そうなると、この秋から行われる税調の議論、そこで結論を得て、来年3月までに消費税増税法案を国会で通す、こういうことになると思うんですが、そういう理解でよろしいですか。
○野田財務大臣 佐々木委員御指摘のとおり、附則104条に基づいて、今年度末までに法案を提出し、その可決を目指すということでございますので、スケジュール感は御指摘のとおりでございます。
○佐々木(憲)委員 そうなりますと、この法案を通すということになると、内閣が消費税の増税に踏み出すということになるわけです。
 つまり、民主党は今までどういう態度をとっていたかというと、消費税率を引き上げる場合には、総選挙で国民の審判を受けるんだ、国民に信を問うんだというのを繰り返し言ってこられたんですね。それをやらないで、政権期間内に、4年間のこの政権期間の中で、増税を、法案を通す、これは余りにも明確な公約違反ということになるんじゃありませんか。
○野田財務大臣 附則104条に基づいて、今年度中に法案提出ということですから、それまでに、当然のことながら、実施時期をどうするかという具体的な制度の設計を詰めていくことになります。その実施時期をいつにするかということが基本的には大事であって、その実施をする前に総選挙で民意を問うということは、私は、これまで言ってきたことと整合的だというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 実施の時期をどうするかというのは、4年を超えてから実施すればいいんだ、しかし、4年の中で、4年間のこの間に法律だけは通しちゃう、これは、4年間は上げないと言っていた民主党の公約からいうと、明らかに逸脱していると私は思います。
 当然、法案を出す場合には、その法案を通してよろしいでしょうかということで、解散して国民に信を問う、これをやらないと、そんな、やらないと言っていたものを、いや、やるんだ、法律は通させていただきます、その間に国民に信は問いません、それはおかしいんじゃないでしょうか。当然、法律を通す前に、国民に信を問う、解散をするというのが、これは本来の筋なんじゃないでしょうか。
○野田財務大臣 菅総理もその前の鳩山総理も、任期中には上げない、そして、上げるときには信を問うというお話を繰り返してお話しされたというふうに思います。
 ということは、実施時期がいつになるかによって、まさにこの命題がクリアできるかどうかだと思いますので、私どもの衆議院の任期は2013年の8月までです。そして、2010年代半ばまでに段階的に消費税を引き上げていくというこの成案と、私はそれは整合的になり得るというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 それは問題のすりかえに当たりますね。
 岡田幹事長の選挙のときの発言によりますと、民主党は4年間は上げない、もし上げる場合は、国政選挙でマニフェストに書いて国民の審判を受ける、こういうふうに言っているわけですね。
 それから、税率の据え置きというのが、三党連立政権合意書、ここでは、「現行の消費税5%は据え置くこととし、今回の選挙において負託された政権担当期間中において、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引き上げは行わない。」
 「行わない。」というのは、引き上げをする法律をつくらないということも当然入るんですよ。それを、いや、実施は先なんだから法律を通してもいいんだ、これが今の菅内閣、野田大臣の説明なんです。これは問題のすりかえだと私は思います。これは公約違反ですよ、はっきり言って。
 次の問題に行きます。
 民主党は、インデックス2009、この中で、「逆進性対策のため、将来的には「給付付き消費税額控除」を導入します。」これにより、「最低限の生活にかかる消費税については実質的に免除することができるようになります。」こう書いていました。この公約は、この成案ではどうなりましたか。
○野田財務大臣 民主党のインデックス2009は、今、佐々木委員の御指摘のとおりの記述がございます。
 そして、今般まとまった社会保障・税一体改革成案においては、「いわゆる逆進性の問題については、消費税率(国・地方)が一定の水準に達し、税・社会保障全体の再分配を見てもなお対策が必要となった場合には、制度の簡素化や効率性などの観点から、複数税率よりも給付などによる対応を優先することを基本に総合的に検討する。」ということで、このインデックスの考え方を踏まえた対応とさせていただいております。
 いずれにしても、この逆進性の問題は、この具体化については、まさに秋以降の制度設計の中で議論をさせていただきたいというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 「一定の水準に達し、」という場合の一定の水準は何%ですか。
○野田財務大臣 特に数字的な検討をしているということではないというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 10%を超える、こういうことになるんでしょうか。
○野田財務大臣 まさにその制度の具体化の中で、そのことも含めて議論をさせていただきたいというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 今回、10%に上げる、こういうことを決めていながら、その逆進性対策については、具体的にこういうことをやりますということは一切書いていないんです。一定水準を超えるということは、次の段階、10%を超えるということにならないとやらない、しかも、それは簡素化、効率化ということを原則として考えるんだ、こういう話になってきているわけですね。だから、私は、このインデックス2009からいっても、これは大幅に後退しているといいますか、逆進性対策が盛り込まれていない。
 具体的に何か盛り込まれたものはありますか、成案の中に。
○野田財務大臣 インデックスというのは、これはマニフェストとは違います。その年における政策の議論の集大成がそういうところまで来ているということです。
 そういう議論を経たうちに、党における調査会において、昨年末、中間整理を行いまして、今回の成案に記載をした事項が入っておりますので、党の御提言、中間整理を踏まえた対応をさせていただいているということで、具体的な逆進性対策については、先ほど申し上げたとおり、これから法案化を目指す中での具体的な制度設計の中で議論をするということであります。
○佐々木(憲)委員 かなりこれは、今まで言ってきたことともだんだんだんだん変わってきているんですね。
 ですから、私は、民主党の本来の、選挙のときの主張というのは、選挙中言ってきたことは、4年間は上げません、政権をとったその期間、次の解散までは上げないんだということで、ああ、民主党はこの間は上げない政党なんだな、そういうことで、では民主党に投票しようという人も相当いたと思うんですね。
 ところが、やっているうちに、政権をとって、だんだんだんだん今度は、いや、法律は通すんだ、上げるのは先だけれども法律を通すのはいいんだ。では、法律というのは何だ、これは消費税の増税の法律なんですよ。そういうものをやる。
 それから、逆進性対策はちゃんとやりますから、こう言っていたのに、10%に上げるという方針は決めても逆進性対策は何も盛り込まれていない。いや、これから検討する。これはおかしいんじゃないでしょうか。
 私は、こういうやり方というのは絶対に納得できないし、もともと消費税の増税なんというのはやるべきじゃないというふうに思っておりますので、きょうはこれで、時間が参りましたから、続きはあした、やらせていただきます。
 以上で終わります。

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