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平和・憲法, その他

2011年05月27日 第177回 通常国会 安全保障委員会 【611】 - 討論

防衛省設置法改定案に対する反対討論

 2011年5月27日、日本とオーストラリアの軍事協力をすすめる日豪ACSA(物品役務相互提供協定)に自衛隊法上の根拠規定を設ける防衛省設置法改定案が、衆院安全保障委員会で民主、公明の賛成多数で可決されました。日本共産党と自民、社民は反対しました。
 この改定案は、米国以外、初のACSAとなる日豪ACSAのほか、▽日米ACSAの対象に国際緊急援助活動を加える▽自衛隊の「情報保全隊」68人の増員など自衛官・即応予備自衛官定数の変更▽防衛審議官(次官級)の新設―が主な内容。

 佐々木憲昭議員は反対討論で、ACSA締結を含む日豪間の軍事協力の推進は、「インド洋やイラクで米軍主導の軍事作戦を支援してきた日豪両国が、海外での米軍支援体制をいっそう強化し、米国が進める対中軍事包囲網づくりの一翼を担うものだ」と指摘し、「憲法違反は明白」と批判。日米ACSAの改定は「自衛隊のあらゆる海外活動の場面で米軍との物品・役務の相互提供を可能とするものだ」と述べました。
 自衛官定数変更では、陸海空各自衛隊に置かれていたスパイ活動を行う情報保全隊を「共同の部隊」として一元化する組織再編の一環で、「自衛隊の秘密保護態勢を強化し、日米間や米国主導の同盟国間の情報協力・共有を進めるもの」と危険性を指摘しました。
 防衛審議官新設については、「防衛省として初めて次官級の審議官ポストを設け、防衛省の発言権を拡大し日米間の軍事一体化を進めるもので反対だ」と表明しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、防衛省設置法等一部改正案に反対の討論を行います。
 第一に、日豪ACSA協定に自衛隊法上の根拠規定を設ける問題です。
 アメリカ以外の国とのACSA協定は初めてとなりますが、その背景には、同盟国に対し軍事分担の拡大を求めるアメリカの戦略を指摘しなければなりません。
 アメリカは、地球規模で進めてきた米軍再編の柱に同盟国の役割の拡大を位置づけ、対テロ戦争やイラク戦争への軍事的貢献を求めてきました。今、東アジア地域においては、中国の軍事力強化を念頭に、日韓豪に、より大きな軍事的役割を担わせようとしています。
 今回のACSA締結を含む日豪間の軍事協力の推進は、インド洋やイラクで米軍主導の軍事作戦を支援してきた日豪両国が海外での米軍支援体制を一層強化し、さらに、今アメリカが進めている対中軍事包囲網づくりの一翼を担うものであります。憲法違反は明白であり、断じて容認できません。
 また、日米ACSAの改定は、協定の対象として新たに国際緊急援助活動を加えるものです。それは、ハイチ大地震における航空自衛隊による国際緊急援助隊の輸送活動に際して、米兵の輸送要請に応じられなかったことを口実としていますが、そのことによって、自衛隊のあらゆる海外活動の場面で米軍との物品役務の相互提供を可能にしようとするものであり、認められません。
 次に、自衛官定数の変更には自衛隊情報保全隊の計68人の増員を盛り込んでいますが、これは陸海空各自衛隊に置かれていた情報保全隊を共同の部隊として一元化する組織編成の一環であります。自衛隊の秘密保護体制を強化することによって、日米間、さらには米主導の同盟国間の情報協力と共有を進めるものにほかなりません。
 最後に、防衛審議官の新設は、防衛省として初めて次官級の審議官ポストを設けるもので、防衛庁の省への昇格と一体で提起されてきたものです。防衛省の発言権を拡大し、日米間の軍事一体化を一層推し進めるものであり、反対であることを申し述べ、討論を終わります。(拍手)

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