2001年05月25日 第151回 通常国会 財務金融委員会 【129】 - 討論
税理士法一部改正案への反対討論
議事録
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、税理士法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
反対理由の第一は、本法案が、これまでも大きな問題を抱えていた書面添付制度をさらに拡充することにより、税理士を税務当局の下請機関としてより巧妙に組み込もうとしていることです。それは、本日の本法案審査の中で国税庁が、通知前の意見陳述で疑義が生じなかった場合、調査を終了すると答えたように、調査の終了というあめを与えて制度を利用する税理士をふやそうとしていることからも明らかです。
本来、税理士は納税者の権利を擁護する立場に立つべきであり、国税庁や税務署の側に税理士をいや応なしに立たせようとする本法案は、税理士制度の根幹をゆがめるものであります。
第二の理由は、本法案が、納税者の中に税務行政上の不平等を拡大させる問題を含んでいることです。
この書面添付制度には、税理士に頼んで書面を添付した納税者と、経済的理由などで税理士に頼めなかった納税者の間に、税務行政上の不平等、不公平をもたらすという問題があります。調査前の意見聴取に応じることで実地調査を省略することを示唆した今回の改正案は、税理士への依頼の有無によって調査の省略を左右することにもなりかねず、納税者の間に手続上の不平等をさらに拡大するものです。
本法案には受験資格要件の緩和、補佐人制度の創設と税理士の出廷陳述権、試験制度の見直しなど、個々には一定の改善が見られますが、以上述べた理由から、全体として反対であります。
最後に、しばしば納税者の権利が侵害される権力的な税務行政が行われている中で、税理士が課税庁から独立して納税者の生活と権利を守って活動できるようにすること、並びに我が党が以前から提案してきた納税者憲章の速やかな制定を求めて、私の討論を終わります。(拍手)