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医療・介護・年金 (強行採決)

2009年06月09日 第171回 通常国会 議院運営委員会 【527】 - 発言

本会議で臓器移植改正4法案の「中間報告」 日本共産党は質疑続行求める

 2009年6月9日、衆議院本会議で、議員有志が提出している臓器移植法改正案4案について、衆院厚生労働委員会の田村委員長による「中間報告」を行いました。
 このやり方は、厚生労働委員会で審議がつくされていないのに、議論を打ち切るものであり、「中間報告」を求めたあと、本会議で採決に持ち込むという無責任なものです。
 日本共産党と社民党が「中間報告」を行うことに反対しました。

 この本会議に先立つ議院運営委員会で、佐々木憲昭議員は「中間報告」に反対する意見表明をしました。
 佐々木議員は、「脳死臓器移植によってしか命を救うことが困難な患者を救う道を開くことは、大変重要な課題だ。移植を待ち望む子どもたちを何とか救う道を開きたい、と私も思います」と表明した上で、臓器移植法は、人の生死にかかわるきわめて重大な法律であり、「改正には、十分な審議を尽くし、正確な医学的知見を共通認識にし、問題点を解明し、国民的な議論をつくして、合意を形成する努力が必要だ」と強調しました。
 佐々木議員は、今国会で厚生労働委員会の審議が8時間にすぎないことや、マスメディアも「移植審議 混迷深め幕」などと報じたこともあげ、「4案の問題点や矛盾点が噴出した段階であり、厚生労働委員会で、さらに審議をつくすのがスジだ」と主張。「中間報告というやり方は、臓器移植に対する国民の理解や前向きの認識を築いていくうえでマイナスに作用することになりかねない」と表明しました。

 本会議で「中間報告」をした田村厚生労働委員長は、改正案4案の提出経過や主な内容を説明。「今国会で何らかの結論を出すことが議員に与えられた責務だ」とする一方、各議員に「慎重な判断」を求めました。
 続いて、A、B、C、D案のそれぞれに提出者からも説明と意見表明が行われました。

議事録

○佐々木(憲)委員 厚生労働委員会において審査中の臓器移植法改正案について中間報告を求める動議を本日の本会議の議題とすることに反対の意見を表明します。

 脳死臓器移植によってしか命を救うことが困難な疾患を抱える患者を救う道を開くことは大変重要な課題です。移植を待ち望む子供たちを何とか救う道を開きたいと私も思います。しかし、臓器移植法は、人の生死にかかわる極めて重大な法律です。したがって、その改正は、十分な審議を尽くし、正確な医学的知見を共通認識にし、問題点を解明し、国民的な議論を尽くして、合意を形成する努力が必要であります。
 この間の厚生労働委員会で、そのような審議が尽くされているでしょうか。厚生労働委員会の審議は、小委員会を含めても21時間であり、委員会における審議は、今国会になっても、5月7日に4時間、6月5日に4時間、計8時間にすぎません。

 審議の内容はどうでしょうか。3年前に提出されたいわゆるA案は、脳死を一律に人の死とし、家族同意のみで臓器提供を可能とするもので、現行法体系を大きく転換するものであります。その上に、B案、C案が出され、さらに今国会の5月になって新たなD案が提出されました。2日間8時間の審議で、四法案の趣旨、内容が説明され、質疑が行われましたが、とても各案の内容が深まり、国民にわかるようになったとは言えません。
 新聞は、「移植審議 混迷深め幕」「「脳死とは」A案迷走」「「本人意思」乱れる論拠」「にわか議論 浅さを露呈」などと報道しております。まさに、この2日間の厚生労働委員会の審議で各案の問題点や矛盾点が噴出した段階であり、厚生労働委員会でさらに審議を尽くすのが筋であります。だから、5日の委員会でも、審議を継続すべきだという意見が自民党議員からも出されたのであります。
 にもかかわらず、厚生労働委員会では決められないなどといって、その審議を打ち切って、本会議に中間報告を求め、いきなり本会議で採決してしまうというのは、極めて無責任だと言わなければなりません。こういうやり方は、臓器移植に対する国民の理解や前向きの認識を築いていく上でマイナスに作用することにもなりかねません。そのことを深く憂慮するものでございます。

 以上、中間報告を求める動議に反対の意見を終わります。

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