税制(庶民増税・徴税), 財政(予算・公共事業) (消費税, 大企業減税, 道路特定財源)
2009年03月27日 第171回 通常国会 本会議 【505】 - 討論
予算関連法案の再議決に反対する討論
2009年3月27日、2009年度予算案と関連法案が成立しました。
関連法案には、2011年度からの消費税増税にレールを敷く09年度税制「改正」法案などが盛り込まれています。日本共産党は予算案、関連法案ともに反対しました。
予算案と関連法案はともに、この日の参院本会議で日本共産党や民主党など野党の反対多数で否決されました。
予算案については衆参の議決が異なったため、両院協議会が開かれました。
協議会には日本共産党から大門実紀史議員が参院メンバーとして参加。予算案に反対を表明しましたが、協議が調わず、衆院の議決が優先され予算案は成立しました。
税制「改正」法案も、衆院で自民・公明両党によって再議決され成立しました。
衆院本会議で、同法案の再議決動議への反対討論にたった佐々木憲昭議員は「再議決は、まさに数の横暴だ」と強調。「国民の審判を経ることなく消費税増税のレールを敷く法律を通すこと自体、民主主義の原則を根本的に踏みにじるものだ」と批判しました。
議事録
○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等改正案及び財源確保法案の本院議決案を再議決すべきとの動議に対し、反対討論を行います。(拍手)
憲法59条1項は、法律は衆参両院で可決したときに成立することを原則としております。
それは、衆参二つの院で審議することによって、法案審議を深め、その問題点を国民に明らかにする慎重審議を保障しようというものであり、同時に、議員の選挙方法や時期が異なる両院で審議することによって、国民の意思を多元的に反映させるという精神に立脚したものであります。
したがって、衆議院で可決したものについて参議院がそれと異なる議決をしたときは、その意思を尊重し、あくまでも慎重に対応すべきであります。
ところが、政府・与党は、参議院が法案を否決するや、直ちに再議決によって成立を図るという、極めて乱暴なやり方をとろうとしているのであります。参議院の結論を一顧だにせず、再議決を繰り返すことは、まさに数の横暴であります。
与党が再議決を強行しようとしている国税二法案は、極めて重大な内容を含んでおります。
第一は、法案の附則で、消費税増税法案を2011年度までに成立させる方針を明記し、政府は、早ければ来年の通常国会での可決を想定していることであります。
弱い立場の者に重い負担を強いる逆進性を持つ消費税は、応能負担の原則に反するものであります。しかも、昨年来の急激な景気の落ち込みが個人消費を悪化させており、このような時期に消費税増税の立法化のレールを敷くことは、消費の落ち込みを加速させるものであります。
事前に国民の審判を受けることなく、消費税増税のレールを敷く法律を通すことは、民主主義の原則を根本から踏みにじるものであります。
第二は、大企業や大資産家優遇税制の継続、拡充を図っていることであります。
海外子会社から日本国内の親会社への配当を非課税とする国際課税の改定は、企業の海外移転を加速させるものであります。上場株式の譲渡所得や配当への軽減措置を延長するに至っては、一部の資産家に莫大な恩恵を与え、格差を拡大させるものであります。
さらに、法案の附則では、法人税の一層の引き下げを検討することを明記し、大企業、大資産家をさらに優遇するものとなっているのであります。
第三に、道路特定財源の問題です。
本法案は、道路特定財源を一般財源化するとしているにもかかわらず、揮発油税について暫定税率を維持しております。暫定税率は道路整備の財源を確保するために導入されたものであり、一般財源化に伴い、本則に戻すべきであります。
財源確保法案については、本来行うべき無駄な大型公共事業や軍事費にメスを入れず、大企業、大資産家に応分の負担を求めないまま、巨額な赤字国債の発行を認めるものとなっております。
本法案では、基礎年金の財源を理由に、国民の財産である財投特会の準備金を取り崩し、捻出することを決めています。しかし、自民党、公明党は、基礎年金の国庫負担分2分の1への引き上げの財源に充てるためと称して、定率減税の縮減、廃止を強行したのではなかったでしょうか。これでは、1枚の証文で二度取り立てをすることにほかなりません。
基礎年金など社会保障の財源を、当面2年間は埋蔵金で穴埋めし、3年後には消費税増税で財源をつくろうとしていることは見え見えであります。到底容認できるものではありません。
以上で、本院議決案を再議決すべしとの動議に対する反対討論を終わります。(拍手)