2008年02月06日 第169回 通常国会 議院運営委員会 【430】 - 発言
運輸審議会委員、労働保険審査会委員の同意人事について意見表明
2008年2月6日、国会同意人事の採決がおこなわれました。
運輸審議会委員として島村勝巳・日本通運健康保険組合理事長、労働保険審査会委員として弁護士の鬼丸かおる氏の2人をあてる政府人事案が提案され、衆参両院の全会派賛成で同意しました。
本会議に先立って開かれた議院運営委員会で、佐々木憲昭議員が意見表明を行いました。
議事録
○佐々木(憲)委員 同意人事について意見を述べます。
国会同意人事と一くくりにされていますが、その内容はさまざまであります。
内閣から独立した機関である検査官や人事官、通貨、金融の最高意思決定機関である日銀総裁・政策委員、独立行政委員会である公正取引委員会や国家公安委員会などとともに、国家行政組織法八条に基づくいわゆる審議会があり、設置根拠はそれぞれ異なっています。
各審議会の職務を見ると、重要政策事項や行政決定に当たっての調査審議、答申、勧告などを行うもの、また、許認可の事前審査、行政処分への不服審査などを行うもの、あっせん、調停、仲裁の役割を持つものなどであります。
同意人事は、審議会、審査会のそれぞれの任務と役割に照らしてふさわしい人選かどうか、国民の立場に立って職務を遂行していく人事かどうかが問われなければなりません。
同時に、それぞれの機関、審議会のあり方の見直しが求められています。会計検査院などは一層の機能強化が求められます。その一方で、審議会の存在、必要性そのものを検討し抜本改革が求められるものも少なくありません。
今回議題となった運輸審議会について言えば、鉄道やバス運賃の値上げ申請に際し、運輸審議会が事業者の事業計画などを中立的、専門的立場から検討し、公聴会も開催して、値上げの適否についての意見を述べる仕組み自体は、運輸事業の公共性と公平公正の確保や利用者保護の上で一定の意義を持つものです。それを今の運輸審議会で行うのが適切なのかどうかは、改めて検討すべきです。
現実の運輸審議会は、国交省の決定にお墨つきを与える形式的な役割しか果たしていないのではないでしょうか。また、この10年間の運輸事業の規制緩和・自由化政策により、国交大臣の許認可事項自体が減っています。にもかかわらず、高い報酬で4人の常勤委員を置くことが必要なのでしょうか。
この際、運輸審議会については、今後の根本的見直しを提起しておきたいと考えます。
なお、今回の同意人事2件については、特に問題はありません。