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平和・憲法

2004年04月09日 第159回 通常国会 厚生労働委員会 【238】 - 質問

小泉総理に、イラクで拘束された3人の救出を求める

 2004年4月9日の厚生労働委員会で行われた小泉総理が出席する質疑のなかで、3人の日本人がイラクの武装グループに拘束されるという緊急事態を受けて、佐々木憲昭議員が総理の対応をただしました。

 佐々木議員は、人質とされた3人の安全と解放のために、ただちに自衛隊を撤退させるべきだと追及しました。
 佐々木議員は「日本人の命を犠牲にしてまで自衛隊派兵に固執する大義はない」と指摘。イラクで人道支援にとりくんできたNGOを自衛隊派兵でかえって危険にさらすことになったとのべ、”非戦闘地域の条件を満たさなくなったら撤退する”という政府の言明にてらしても、「いまこそ自衛隊を撤退させる時期だ。政府の行動で日本人の命が失われてもやむをえないというような立場は絶対とるべきではない」と迫りました。
 小泉総理は人質となった3人について、「イラク人のためになるような活動をしたいという善意を踏みにじって、人質にして脅しをかける。憤りに堪えない」と表明。「テロリストの言い分に全部したがうことはまさに思うつぼであり、避けなければならない」としながら、「一番大事なのは3人の無事救出だ。区切られた期限内で全力をあげてとりくみたい」とのべました。
 佐々木議員は「総理が速やかに自衛隊撤退の決断をおこなうべきだ」と強調しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。年金法案の質疑の前に、イラクで緊急事態が発生しましたので、総理の基本的な姿勢をただしたいと思います。
 3人の日本人が武装グループによって拘束されまして、自衛隊をイラクから撤退させなければ3人を殺害するという、極めて卑劣な脅迫がなされるという事態が起こりました。NGOやジャーナリストなどを人質にしまして、まさに、この要求が入れられなければ殺害するなどということでですね、極めて脅迫的なことをやっているわけでありまして、こんなことは絶対に許されない蛮行であります。
 日本政府が、拘束された3人の安全と解放のためにあらゆる努力を尽くすことを強く求めたいと思います。
 問題は、努力を尽くしても3人の解放が実現されないというような場合、政府が自衛隊の派兵継続に固執する中で期限が切れるというような場合であります。犯罪グループの予告どおりに最悪の事態を招く危険性もこれは否定できない。3人の日本人の命は、まさに政府の行動にかかっていると思います。
 政府は、自衛隊について、記者会見で、撤退する理由はないと述べました。しかし、日本人の命を犠牲にしてまで自衛隊派兵に固執していいのかどうか、これが今問われていると思います。
 イラクで人道支援に取り組んできたNGOやボランティアを、自衛隊派兵によって、かえって危険にさらすということに事実上なったわけでありまして、自衛隊が派兵されたサマワでも、迫撃砲のような砲弾が撃ち込まれるという、自衛隊を標的にした武力攻撃が起こっております。
 政府は、このイラクへの自衛隊派兵の法案の審議の中で、近くで戦闘行為が起こるなど、非戦闘地域の条件を満たさなくなったら撤退すると繰り返し言明されてきました。この言明に照らしましても、今こそ自衛隊を撤退させる時期ではないか。
 総理にお聞きしますけれども、政府の行動で日本人の命が失われても、これはやむを得ないというような立場は絶対にとるべきではない。この点で、総理の基本的な姿勢を伺いたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 イラクで民間の人が3名、テロリストグループと見られる人によって人質にされている。この身柄を拘束することによって、いろいろ日本政府に要求をしておりますが、私は、この3人の民間人は、イラク人のためになるような活動をしたいということで、あえて危険なバグダッドにも赴かれたんだと思います。そういう善意を踏みにじって、この3名を人質にしておどしをかける、まさに許されざる非人道的な犯罪行為だと、憤りにたえないところであります。
 そういうテロリストの言い分に全部従うということは、まさにテログループの思うつぼでありますので、これは日本政府として、テロの思うつぼになるようなことをするのは避けなきゃならない。やっぱり日本としては、イラクのイラク人による安定した政府をつくるために、今どのような復興支援活動、人道支援活動ができるかということで取り組んでおりますので、これについても継続してやっていかなきゃなりませんが、今もって一番大事なのは、この3人の無事救出であります。この点については、政府を挙げて取り組まなきゃならない課題でありますので、これがだめだったらというのを今私はこういう場で議論するのがいいのかどうか、これもやっぱりお考えいただきたいと思うのであります。
 期限が区切られておりますが、この区切られた期限内において3名の無事救出に全力を挙げて取り組みたい、これがだめだったらということについては、私は今のこの場で仮定の質問に答えるのは適切ではないと思っております。
○佐々木(憲)委員 人の命は大変重いものでありますから、全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
 今イラクの情勢は極めて緊迫しておりまして、政府が戦闘地域には派遣しないというふうに述べておられましたけれども、その前提が崩れているわけでありまして、自衛隊派兵に固執するような行動で日本人の人命を損なうようなことが絶対あってはならない。総理が速やかに自衛隊撤退の決断を行うことを最後に申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。

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