2004年06月15日 第159回 通常国会 本会議 【254】 - 討論
国政担う資格ない小泉内閣=内閣不信任案に賛成討論
2004年6月15日、日本共産党、民主党、社民党の野党3党は、共同で小泉内閣不信任決議案を衆議院に提出しました。
決議案は衆院本会議で採決され、野党3党などの賛成193票に対し、自民党、公明党の反対280票で否決されました。
採決に先立ち、佐々木憲昭議員が、日本共産党を代表して賛成討論に立ちました。
議事録
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、小泉内閣不信任決議案に賛成の討論を行います。
小泉内閣を不信任する第一の理由は、何よりも年金の大改悪であります。そのやり方も内容も、断じて容認できません。
自民・公明両党によって強行成立させられた年金関連法は、保険料の際限のない引き上げと、給付水準の引き下げを内容とする大改悪であります。
しかも、「保険料の上限固定」と「給付の5割保障」という2枚看板が、まったくウソだったことが、衆議院通過後に明らかとなりました。
このような重大な法案を、衆議院でも参議院でも中央公聴会をひらかず、質疑を突然打ち切って強行採決を行なったのであります。いまや、どの世論調査を見ても「法案の内容に反対」「強行採決に問題あり」という声が、7割から8割を超えております。もやは小泉内閣に、政権を担う資格はまったくありません。
第2の理由は、小泉内閣の「構造改革」路線が、国民に耐えがたい「激痛」を押し付け、国民生活のあらゆる分野で荒廃と破壊をまねいたことであります。
小泉内閣は、不良債権の早期最終処理をかかげ、銀行の貸ししぶり・貸しはがしを加速させ、倒産・失業を増大させてきました。また、大企業のリストラを放置し後押ししてきたのであります。
そのうえ、小泉内閣の際限のない国民への負担の押しつけが、暮らしを破壊しています。高齢者医療費の引き上げ、サラリーマン健保3割負担の実施、介護保険料の値上げ、失業者の命を削る雇用保険制度の改悪、そして、今国会での年金大改悪であります。
この行き詰まりから脱却する道は、小泉内閣の退陣によってのみ、切りひらくことができるのであります。
第3の理由は、小泉内閣が、軍事・外交面でアメリカいいなりの姿勢をつづけていることであります。
小泉首相が、大義なきイラク戦争を支持し、憲法違反の自衛隊海外派兵を強行してきた責任も重大です。アメリカの戦争と不当な占領支配のもとで、イラク民間人の死者はすでに1万人を超えました。米軍によるイラク人拷問・虐殺事件は、イスラム社会をはじめ全世界の憤激を呼び起こしています。
ところが、小泉首相はイラクに派兵した自衛隊の多国籍軍への参加を日本の国会にも国民にもはからず、米ブッシュ大統領に表明したのであります。
多国籍軍への自衛隊の参加は、米軍の指揮の下で、武力行使をともなう軍事行動と一体化した活動をすすめることです。それが憲法を真っ向から踏みにじるものであることは明白であります。
小泉内閣が強行した有事関連法案も、アメリカの戦争に自衛隊と自治体、国民を総動員するものであり、わが国の進路と憲法の平和原則を根本からおびやかすものです。
いまや小泉内閣に、日本の平和と進路、国民の暮らしと日本経済の舵取りを担う資格がないことは、あまりにも明瞭であります。
以上で、小泉内閣不信任決議案に賛成する討論を終わります。